排球部エースは転生少女 《５》

◇気になる師匠 ページ9

「俺みたいな背の低い選手を見たことがあるって言ってて！研磨の友達だって言ったんですけど......、その人とノヤッさんが知り合いだって聞きましたっ！」



日向の言葉に西谷の頭にはある一人の先輩が浮かんだ。
知り合いも何も西谷にとって、その人は尊敬する先輩で師匠だ。



「あるぞ！俺の中学の先輩だ！」

「お？それなら、俺の友達でもあるぞ」

「キャプテンの、ですか？」

「俺だけじゃなくて、清水ともな。日向が言ってる選手に関しては清水の方がよく知ってるよ」

「その子、私の幼馴染.....だから」

「潔子さんの幼馴染ッスか.....！？」



清水の言葉に三年生であった澤村以外は驚いた。
「どんな人なんですか？」と影山が聞けば、「影山は知ってると思うよ。アイツ結構有名な選手だからな」と澤村は答えた。



「有名？」

「俺の先輩で師匠の美園湖羽さんだ！！....知らないか？」

「！？えっ、美園湖羽ってあの？！」

「だ、誰なんだよ！影山！！」

「お前知らないのかよ！美園湖羽さんって言ったら、中学の頃から有名な人だぞ！セッターの榊千歳さんと一緒に長年バレーをしている人だ！！」

「あ、千歳の方は俺の幼馴染な」

「え！？キャプテンの！？」

「そうそう。湖羽は日向も憧れるエース。確か、ユース候補にも選ばれてるな」

「ユースに！！？」

「確か、高校は....箱根学園だったよな？」

「箱根って言ったら.......神奈川か」



湖羽の話を聞いて、日向は一人ワクワクしていた。自分と同じ身長で同じような選手がいる。活躍して、インターハイにも出ている。どんな人なのか、プレーしてみたいと思ってしまう日向。



「あ、写真あるぞ？見るか？」

「お、お願いします！」



西谷の携帯の画面に写る少女と少年。
中学時代の西谷と湖羽だ。



「びっ、美人！！」

「だろだろーー！！中学入学してすぐに湖羽さんに教えてもらったんだ！湖羽さん、レシーブ超上手いんですよ！勿論、スパイクもすごいんッスけどｯｯ.....！！」



先輩である湖羽の話を自慢気に話す西谷。それを聞くバスの中のメンバーは西谷が湖羽のことを凄く好きなことがわかった。そして、少しだけ湖羽のことに詳しくなった烏野排球部のメンバー達であった。



　

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