◇約束の証 ページ3
微笑む湖羽さんは綺麗で、その菫色の綺麗な瞳に自分が写っていて、嬉しかった。
あ、そっか。
「(俺はこの人の事が好きなんだ)」
この人の隣にいたい。
この人の笑顔が見たい。
幼い自分の心にはそんな思いが生まれた。
その答えを出したら、その言葉が胸にストンッと落ちてきた。走ってる時とは違う苦しさ。でも、悪くないと思う苦しさ。このストラップを持ってればこの人に.....俺の好き人に逢える。なら、それまでにもっと速くなろう。
手に持ったストラップを握りしめる手に力が入った。
これを持ってれば貴女とまた逢える。逢いたいと。
『.....今日の授業なんだっけなぁ』
「俺は体育ですよ」
『......″体動かすなら、自転車乗ってた方がいい″とか思ってる?』
「!」
『当たった?』
「やったね!」と言った先輩は可愛いくて、隣で話せる事が嬉しかった。思わず顔が緩む。自転車を停めて、下りれば先輩も足をとめた。「どうしたの?乗んないの?」と首を傾げる先輩に「俺も歩こうと思って」と言えば、先輩は驚いた表情を見せた。
『真波。私に会わせなくても先に行ってくれていいよ?』
「俺が一緒に登校したいからいいんですよ〜?ダメですか?」
同じ学年でも、クラスでもない湖羽先輩と一緒にいれる時間は貴重で今の少しの時間でも一緒にいれることは嬉しい。
『ううん。嬉しいよ?登校中、話し相手いないし!誰かと登校は嬉しいからね!』
「それなら良かったです!」
嬉しそうにしてくれる彼女に目を奪われる。心臓がどくどく波打って、速くなる。意図も簡単に俺の体は熱くなって、先輩の表情一つで嬉しくも悲しくもなる。それを湖羽先輩は知らない。伝わってほしくないけど、伝わってほしい気もする微妙な気持ち。伝わってしまったら、この人とはいれなくなるんじゃないかという怖さもある。
カシャッ。
「『!』」
地面に何かが落ちる音がして、俺と先輩が音のした方を見れば、見慣れた俺の携帯が落ちていた。ポケットに入れていた携帯が落ちたんだろう。
『.......持っててくれたんだ』
「!」
『ありがとう、真波』
俺の携帯に手を伸ばして広い上げた先輩は、ニコッと柔らかく笑って携帯を俺に渡した。
「......俺、名前教えてなくて」
『うん。私だけだったもんね?名前教えたの』
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夏菜沙(プロフ) - できるだけそうなるようにする予定です!楽しみにしていただけると嬉しいです!! (2022年11月17日 1時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 前と同じような展開にはなりますか? 誰とは言いませんがあの2人のカップルが好きだったんです!そして僕とのアドバイス的なのも好きなんです! (2022年11月16日 19時) (レス) id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - 最初から新しい話をいれています。リメイクは間違えて付けてしまいました!気づかせてもらいありがとうございます! (2022年11月16日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - どこからリメイクしました? (2022年11月16日 9時) (レス) id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!更新できるようにがんばります!! (2022年9月1日 21時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年5月1日 14時