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◇本当の意味は知らない ページ47

美園湖羽side



『あ、起きた?』

「湖羽、さん.....?」

『うん。箱根学園女子バレーボール部エースの美園湖羽ですよ!』



えっへんとしてから、ニコッと笑って彩芽を見れば、クスッと布団の中で笑った彩芽。金城君達はしおりんが車で千葉に送りに行って、尽八達は教室に。千歳達は授業を受けに行った。



「ここはどこですか.....?」

『保健室だよ。泣いた後に彩芽眠っちゃって、ここに連れてきたの』

「!.....は、恥ずかしいところを見せてしまって.....迷惑かけてすみません」

『ううん。私達も金城から君の事聞いちゃったんだ』

「!」



彩芽は驚いた表情をしてから、そうですか.....と呟いた。いつかは、私達にも話そうとしていたらしい。「ごめんね、こういう話、勝手に聞いちゃって.....」「いいえ、気にしてません」と。



「私、湖羽さんに救われたんです。ふわふわで羽が舞う姿に目を奪われて.....。私に光をくれて、勇気をくれて.....。ありがとうございます、湖羽さん」

『私は何にもしてないよ。きっと君のきっかけになっただけ.....。勇気を出したのは彩芽が強いから.....。』



でも、ね?
彩芽の顔を見て、目を合わせて真っ直ぐに伝える。手を額に置いて、優しく撫でた。彩芽は驚いた表情をして私を見ている。



『無理は良くないよ』

「!」

『勇気を、.....強くあろうとするのは良いかも知れないけどね、無理はしてほしくない。キツいなら、辛いなら、逃げたいならそうすればいい。その気持ちの中に前に進もうって気持ちがあれば、いつでも前に進める。』

「湖羽さん.....」

『私達もいるからさ。何か合ったら言って。力になるから』

「......はい」



瞳に涙を貯めて、無理して作る笑顔じゃなくて優しい笑顔を浮かべた彩芽に安心した。



『あと、私はどこにも行かないから』



あんなにも思って止めてくれて、どこかに行くなんてことないよ。



「........」



でも、その意味の本当の理由を私は知らなかった。
私達は、勘違いをしていた。

私だけじゃなくて、千歳にも関係していて......。
私達以外の皆はその心辺りがあって、私と千歳だけはそれを知ることもなくて、周りの人達にだけその思いを抱かさせている。



″いかない″での本当の意味を知るのは、もう少し先。
出会った皆に抱かせてしまうほどの事だった。



 

◇左抜きの克服→←◇近くて遠い人



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夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!嬉しいです! (2022年10月1日 0時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
奈々ミン - この作品一番好きなのでこれからも、頑張ってください! (2022年3月19日 16時) (レス) @page42 id: d49fa68ddd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年3月10日 11時

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