◇千葉に行く福ちゃん ページ34
『お土産？』
「ああ」
『う〜ん....、温泉饅頭とかがいいんじゃない？』
夏休みの部活の日。
たまたま会った福ちゃんに「県外に行くのだが手土産は何を持って行ったらいいか？」と聞かれたので答えている美園湖羽です。よく分からないが行く場所は温泉が有名！って感じの観光地ではないらしいし、箱根の温泉饅頭でいいだろう。前に尽八にもらったことあるけど、美味しかったし。
『それにしても何しに行くの？』
今日は部活があったのでは？と聞けば、欠席届けを出して来たそうで遠くにいかんだなぁと思った。だって、自転車で行くなら速いもの。
「千葉に、金城の元に謝罪しに行く」
『そうなんだ.....』
何で？
何故、総北の金城(巻ちゃんの試合を観に行った時に話をしたために知り合い)の元に行くんだ？
福ちゃんの事情は一切分からなかったが、何かけじめを付けに行くのか真剣な顔していた。私は福ちゃんの肩をトントンと叩いて、「行ってこい」と言って見送った。一瞬、目を見開かれたが、その後頷いて歩いて行った。
『......謝罪ってどういう事なんだろうか？』
福ちゃんと別れた私は体育館に向かって今日もバレーの練習を始める。その数時間後に尽八から電話をかけるなんて思いもしなかった。
──────────
「暑いね〜」
「そうですね〜」
「溶けちゃいます」
『アイスみたいに？』
「はい」
福ちゃんと会った後の数回目の休憩中、しおりんからの差し入れでアイスキャンディをもらった。日が当たらない木の下、木陰を見つけてそこに千歳達と外でぐでぇ〜としながら座った。りんご味のアイスキャンディを食べながら、体育祭の話や文化祭が近づいてきてるねって話をする。
「湖羽、電話鳴ってるよ」
『？....あ、ホントだ。誰からだろ？』
電話の着信音が聞こえ、携帯を見れば相手は尽八だった。珍しくもなんともない(巻島よりは電話はかかって来ないがそこそこかかってくる湖羽)、相手からの電話。まあ、休憩中なので通話ボタンを押す。
もしもし....と口を開くよりも先にスピーカーからの第一声が「湖羽、福を知らんか！？」とビッグボイスだった。耳がキーンとして、反射的に腕を動かして携帯を離した。何事だよ！！と叫びそうになったが、尽八の様子からすぐに聞かれた事を答えようとした。
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夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいです！ (2022年10月1日 0時) (
レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
奈々ミン - この作品一番好きなのでこれからも、頑張ってください！ (2022年3月19日 16時) (レス) @page42 id: d49fa68ddd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年3月10日 11時
