◇最悪な第一印象 ページ17
水買いに来たのに巻島を見つけて、声をかけてしまった。尽八と千歳は私の隣にきて、目の前で話していた巻島を見た。二人とも違う意味で驚いていた。
「何してい、た......ｯｯて、お前さっきの変な髪色の奴！！？」
「お前、ナルシストの....」
「東堂尽八だ！と・う・ど・う・じんぱち！！！この美形クライマーの顔を覚えないとは損してるぞ！」
「『しないから／よ』」
尽八を知らなくてもやっては行けるし、損はしない。
実際、巻島は多分知らなかっただろうし.....。
「うるさいっショ」
『そうだねー』
「そうだねーって、もしかして美園が観に来た奴って....」
『巻島の思ってる通り、こいつだよ。私のクラスメイトの東堂尽八！彼を観に来たんだ』
「こいつを....」
巻島の視線は尽八に。私は交互に二人を見る。二人とも不機嫌そうと言うか、微妙な顔をして雰囲気をだしている。
『(あ、この二人.....第一印象最悪だな....)』
なんとなく思った。ついさっき勝負して勝った奴と負けた奴。それなら、雰囲気最悪になってもおかしくない。まあ、二人ともアニメでは良いライバル、良いクライマー同士だったけど、出会う前だからなあ。千歳も二人の雰囲気を察して苦笑だ。
『(二人がこれから仲良くなるなんて......、本人達は思ってもみないよね......)』
そう思いながら、この先の未来を楽しみに待つことにした。
「また、巻ちゃんに負けてしまった！」
『四勝三敗......巻ちゃんに逆転されたね』
「ああ！だが、次の大会にも出ると聞いた！その大会で勝つのは俺だっ！！ワッハハハッ！！楽しみだ！」
『私も二人の勝負楽しみだよ』
大会がある度に巻ちゃんのことを楽しそうに話す尽八。
『(.....本当に楽しそう.....！)』
楽しそうな尽八を見て、頬が緩む。巻ちゃんってライバルができて今までよりも楽しそうに登るようになった。巻ちゃんも尽八の事を面倒くさそうな態度をとってはいるが、尽八と同じように思っているだろう。
「次の大会、観にこないか！」
『予定が合えば行こうかなー？』
「楽しみにしているぞ！！」
そんな毎日が訪れるまであとちょっと。
ほんの数ヶ月先の話。
「早速、連絡しなくてはな！」
『ほどほどにしときなよ.....』
うざがられるよ。
........もう手遅れか。
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夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！嬉しいです！ (2022年10月1日 0時) (
レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
奈々ミン - この作品一番好きなのでこれからも、頑張ってください！ (2022年3月19日 16時) (レス) @page42 id: d49fa68ddd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年3月10日 11時
