◇鴎台の小さな巨人 ページ36
はい。皆さん、お待たせいたしました。
え?待ってない?
そうでしたか.....。
「あのっ!!」
『はい?』
でも、私のトイレ前遭遇率は年々高くなってるらしいよ...。
夏の全国大会会場のトイレ前。目の前にいる私よりも低い身長の男の子。白い髪に目の放せない感じの子をかもし出す少年。三度目の「この子、前世でみたことあるわ」を脳内で考える。
「試合かっこよかったです!!俺も貴女みたいに空中で戦いたい!!貴女が誰よりも他の背の高い選手と同等に戦ってる姿憧れました!!」
『え、あ、ありがとう。そんなに褒めてもらえるなんて嬉しいよ....!』
彼の言うとおり、私は他の女子よりも身長が低い。バレーのなかではね?普通に女子と比べれば高い方だと思うよ。潔子とも対して身長違わないしね。でも、女子バレーの子達は私よりも大きい。それでも、私はバレーが好きだから.......、誰よりも高く高く跳んだ。レシーブも磨いたし、ブロックも高く長く翔べるようにした。
「俺!星海光来って言います!!中二ですっ!」
『じ、自己紹介ありがとう。私は美園湖羽、中学三年だよ』
「知ってます!!去年から見てましたから!!」
『そ、そうなんだ!ありがとう』
「はい!」
やっぱり、私はトイレの前で未来のエースに会う率が高いらしい。鴎台の未来のエース君に出会ってしまったよ。
『.....君はもっともっと翔べるよ....。君はもっと強くなれる』
気がつくと私はそんな言葉を彼にかけていた。
そっと、頭に手をおいて撫でる。
「はいっ!!ありがとうございます!!」
元気いっぱいのいい返事を返された。連絡先を交換して、去年と同じように千歳の元に戻ったのだった。
──────────
「お帰り、今回は誰だったの?」
『その言い方だと、私がトイレで会ったことが前提だよね?』
「違うの?」
『違わないけど』
違わないんだよねぇ。
私もどこかで会うって分かってたし。会うのは嬉しいんだけど、あまりにもエンカウントするのがちょっと怖かったりね.....?
「でしょ?誰にあったの?」
『鴎台の喧嘩うりそうな子とトイレ前で会った。星海光来君』
「....マジ??」
『マジ』
「湖羽の未来のエース遭遇率、日向超えたんじゃない?やったね!」
『いや、別に超えたい訳じゃないよ!?』
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夏菜沙(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます!直させていただきました。 (2022年4月12日 10時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - フォーカーフェイス…ポーカーフェイス?? (2022年3月21日 12時) (レス) @page15 id: cfde1fd93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月25日 19時