◇未来の白鳥沢エース ページ15
体育館には誰もいないので広々とのびのびと使え、貸し切り状態。バレーシューズを履いて、用具室に向かう。バレーのネットや道具を抱え、三人で設置していく。三人なのでいつものよりも準備に時間がかかるが、早くバレーがしたいと言う思いがあるので、自然と皆黙って黙々と仕事をしている。
「後、ネット張るだけだね」
『これ終わったら、アップしてバレー』
残りネットだけという状態になり、余裕が出てきたので少し話す。得点番やバレーボールの籠も運び出して、邪魔にならない場所へ。
『おし、できた!』
「やっぱり、バレーって人数欲しいよね」
『そうだねー』
私達の部、そこそこ人数いて良かった。
バレーの準備が整い、私達がやっているアップ方法をそれぞれしてバレー練習をスタートさせた。
『(楽しみだなぁ、牛島若利のバレー)』
──────────
ガッ!!、ドカッ!!と体育館に響く音。
その度にボールが跳ねては、打たれる。
『若利っ!もう一本ーー!!こいっ.....!!』
ブンッ!!
ガッ!!
「牛島君!」
千歳が若利の名前を呼び、触れるだけのトスを彼に上げた。
タイミングはドンピシャ。私はこちらに来たボールをレシブーして返そうとしたが、拾えず。「榊、トスをくれ!」「牛島君っ!!」『こいっ.....!』再び構えて、彼の腕を、ボールを全てを見逃さないように集中して見る。
『(とるよ、絶対.....!)っ.....見えたっ!!』
ガッ!
....トン。
アンダーの構えで、若利のボールに合わせる。いつもよりも、この瞬間だけはスローモーションのように見えたボール。足を、体を、動かして、腕に強い衝撃がきた。その衝撃は一瞬ですぐに腕はジンジンとして、それは私の元で静かに跳ね返った。
『よしっ....!とった!』
「上手いな......、美園」
私は若利のボールをレシブーしたのだった。
本日初である(既に五十回は越えており、適度に休憩もとって休んでいる)。嬉しそうな、楽しそうな表情をする若利に笑顔を向けた。いやぁ、アニメで見た腕もげサーブをレシブーできるなんて、感動。威力はそこらの中学生よりも強い。さすが、絶対王者の白鳥沢学園のエース。
『まだまだ!!次は私がトスをあげるたい!』
「じゃ、次は私が牛島君のサーブをとるの?....腕もげそう....」
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夏菜沙(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます!直させていただきました。 (2022年4月12日 10時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - フォーカーフェイス…ポーカーフェイス?? (2022年3月21日 12時) (レス) @page15 id: cfde1fd93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月25日 19時