◇雪降る受験日 ページ49
制服を着て、コートを着る。マフラー巻いて、靴を履いて、バッグの中身をもう一度確認する。ペンケース、シャーペン、消しゴム.....、受験票。忘れちゃダメなやつね、受験できなくなるから。何回も確認して、あることを確認。
「気をつけて行ってこいよ」
『うん!行ってきまーす』
お祖父ちゃん達が玄関にお見送りに来てくれており、頑張る!と返して、玄関を出た。積もっていないが、昨日の夜は雪が降っていた。
《ピロリン》
『!.....(夕から連絡来てる)』
宮城の方も積もったらしく、雪合戦していると言う連絡が夕から来た。
『(楽しそう.....)』
マフラー巻いて、雪だまを投げる姿の写真も希穂から送られてきた。私の弟子可愛い。二人からの写真と応援メッセージをもらって、気合い十分だ。写真はすぐに保存ボタンを押した。どの角度も楽しそうで良く撮れている。連絡を返して、千歳との待ち合わせ場所目指して電車に乗った。千歳は、神奈川にいる従姉弟の家に泊まって当日来る事になっている。
『(千歳.....は、どこに.....)』
電車に揺られ、駅に付けばちらほらと雪が降ってきて、はぁと息を吐けば白い息が出る。携帯の画面に試験時刻よりも余裕な時間が表示されている。遅れないように時間には余裕を持って行動している。「湖羽」と馴染みの声が聞こえ、そちらの方を見れば防寒着と防寒具の準備バッチリの千歳がいた。
『おはよー』
「おはよう、湖羽。行こっか.....」
『おう』
さっきまでの緊張感が少し和らいだ。
知っている顔、友達がいると安心するからだろう。この三年、千歳とは長い付き合いだからね。二人して、近くにバス停まで歩いて行き、乗り込む。バスの中には多分私達と同じように箱根学園を受験するであろう人達がいた。
バス停が停車して、下り出した人達に続いて私達二人も下りて、雪道を歩き出した。ザクッと音がして、足に久しぶりの雪の感覚。
『......はぁ....、緊張する....』
「あの」
「『!』」
「落としましたよ?」
『え?』
声をかけられて、後ろを見れば、クリーム色の美少女がいた。身長は私と同じくらいで綺麗系の人。手には紫色の御守りが握られていて、御守りには見覚えがあり、ハッとしてポケットを探れば案の定なかった。
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夏菜沙(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます!直させていただきました。 (2022年4月12日 10時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - フォーカーフェイス…ポーカーフェイス?? (2022年3月21日 12時) (レス) @page15 id: cfde1fd93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年8月25日 19時