◇練習試合の放課後 ページ45
『(三日連続って本当にどうしたの！？真波！)』
一日だけかなって思った真波のお迎えが三日続き、マジで何かあったのか心配になった。今日はいつもより早く目覚めて、ご飯を食べて準備して家を出たのにマンションの下に見慣れたアホ毛の少年が立っていたのだ。思わず二度見した。いつもよりも早いのに私の家の下にいるって、どんなに早く来てるんだ？
『おは、よ、真波』
「........おはようございます、湖羽せんぱ〜い！」
『今日も早いね』
「最近、早く起きれちゃうんですよね〜」
お陰で授業中寝ちゃって怒られちゃいますけど〜.....と言う真波。いや、それはいつも通りじゃない？というツッコミは入れなかった。
「行きましょ〜う！」
『あ、うん』
私が隣まで歩いてくるの待って、真波は安心したように歩幅を合わせて歩きだした。安心した表情に少しの違和感があったがすぐにいつもの真波に戻った。
朝は真波と共に登校したのだった。
雪ちゃんから「真波の奴が早く登校してるって本当ですか！？」と聞かれた時は尽八と共に頷いた。
──────────
放課後になり、春高に向けて体育館で練習。
今日は近くの高校との練習試合なのでワクワクで教室から更衣室に速足で向かった。外では運動靴履いてダッシュしたけど。
『練習試合〜練習試合〜！』
「テンション高いですね、湖羽さん」
『だって、久しぶりの練習試合だよ？楽しみなんだもん』
「春高前の貴重な練習試合ですもんね」
「練習試合だからスタメンガンガン代えてくって、しおりんが言ってた」
「三年生が引退した後の事も考え始めてるんですね」
「そりゃあ、春高終わったら菊乃さん達は引退しますから」
試合の準備をしながら話の内容は今後の事。
私達が卒業した来年の話である。
早いなー、もう三年生が終わっちゃうんだよね。
「○○○高校の到着は四時です」
菊乃がバインダーを持ちながら、今日の予定を話してくれて部活が終わるのは六時半を予定していると。その前には片付け終えて、帰る準備万端だろうとは思うけど。
「真波君と帰るんでしょ、今日」
『うん』
「最近、早く登校してるって聞いたよ」
『そーなんだよね......学校ではいつも通りなんだけどさ......』
「心配だね」
『超心配』
すごく心配である。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年12月25日 19時
