◇冬の朝、見つけた姿 ページ43
美園湖羽side
春高に向けて練習して一日が終わる。
嫌な夢をみた日は皆少しいつも以上に過保護で階段の事について、尽八には勿論荒北達にも「いつも以上に気を付けておけ!!」「美園チャン、きーつけろヨ!」と言われた。
福ちゃん達にも彩芽にも「「周りにはいつもの何倍も気をつけて下さい(ろ)!!」」と言われて、千歳も同じように言われてた。
まあ、階段の事があるから私の方がいつも以上に言われた感じがするけどね?
『今日は朝練なかったよね』
チラリと予定が書いてあるカレンダーを見て、布団から出た。
『(嫌な夢は見なかったなぁ)』
あの日以来夢は、見なくなった。
千歳からも連絡が来ないから彼女も嫌な夢は見ていないんだろう。ホッと息をついてカフェオレでも飲もうと冷蔵庫を開けて、マグカップに注いだ。
甘くて少し苦い。
美味しいなぁと飲んでから朝御飯の準備を始める。
今日の朝ご飯はパンである。昨日の部活の帰りに買ってきた食パンをフレンチトーストにして食べた。
──────────
『.......!』
学校に行くために外に出て、マンションの外へと出た。
寒くなってきているのでマフラーをぐるぐる巻くことを忘れずに歩いていれば、見慣れた姿を見つけた。
『え......、なんで?』
ここにいるはずのない少年.....真波がいて驚いた。小走りで彼に近付けば、真波も気付き「先輩」と聞こえるぐらいの呟きで私を見た。
『おはよ、真波。ビックリした、ここにいるんだもの』
「おはようございます〜、湖羽先輩!」
『なんでここに?』
「なんとなく先輩と行きたかったので!」
真波が遅刻しない、だと......!?
表情には出さずに驚いて、私と登校したいと言ってくれた目の前の後輩に嬉しくなる。
『それなら、連絡くれればもっと早く来た』
「今日も早いですよ〜」
『それを言うなら真波の方が早い』
「俺は目がいつもよりも覚めたのが早かったんです」
『へー』
..........今、一瞬どこか苦しそうな顔をしなかった??
見間違いかな?と真波を見れば、いつも通りのにっことした表情。
「じゃあ、行きましょう!千歳先輩は今日日直で朝早いって言ってました」
『そーなんだよね』
本人が教えたのかな?←本人が教えました by.千歳
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時