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◇恋人繋ぎ ページ40

嫌な夢を見て朝からテンションは低いが、学校には登校しなければならないので千歳と共に電車に揺られた。見慣れた駅は後数ヶ月の付き合いだと思うとついつい周りを見て歩いてしまう。



『(......三年間通ってたけど、今だに通った事ない道あるし、今度遠回りして帰ってみよーかなぁ.....)ねえ、千歳』

「なあに?」

『今度、寄り道して帰ろ!って言ったら一緒に行ってくれる?』

「行く行く!楽しそうだもの」



そんな事を千歳と共に話しながら歩いて学校に向かった私達。「ロールケーキ出してるお店あるかなぁ」と思いながら学校についた私は、授業が始まるまで千歳と駄弁っていた。



『(今日寒い.....)』



前の授業が移動教室だったため、教科書を持って自分のクラスの教室へと廊下を歩いて戻る。



「それ!」

『ッッわあっ!?』



その途中、突然頬に冷たさを感じた。驚いて声をあげてしまい、後ろを振り返ればイタズラ成功!みたいな表情をした真波が立っていた。



『真波!』

「おはようございま〜す!驚きました〜?」

『超驚いたよ!今来たんだよね?』



空いた手を伸ばして真波の手に触れた。
「冷たっ」と指先から手の甲が冷たくなっていて、さっきまで暖かい部屋にいた私の手の方が何倍も暖かい。



「わあ〜!先輩の手、暖かいですね〜」

『そりゃあ、さっきまで暖房ついた部屋にいたからねー』



ぎゅっと握ったりしてちょっとでも暖かくなるかなぁと思いながら真波の左手や右手を代わる代わる握る。どっちも同じくらい冷たい。



「先輩教室行きましょう?ここ、寒いですし〜」

『そーだね。授業始まっちゃうもの』

「次何の授業だったっけなあ」

『私のところは古典だったかな?』



丁度よく周りには、人がいないため真波の手を握って歩きだした。ちょっと恥ずかしくて、握った手を離したくないなぁと思っていた私。真波も特に離したりしないのでそのまま。



「先輩、こうしたらもっと暖かくなりませんかね?」

『え?』



繋いでいた手を一回放された後、すぐに手に温もりが戻ってきた。視線を移せば、私の指に真波の指が絡まって.....いわゆる恋人繋ぎである。真波の方を見れば、ニコニコ笑顔で嬉しそうにしている。恋愛初心者の私としては、恋人繋ぎされて顔に熱が集まるのは当然だったり、ね?

 

◇キエテシマウノハ→←◇現実だと感じた



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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時

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