◇転生少女の苦手なこと ページ17
美園湖羽side
文化祭は二日間。一日目はクラスがメイン、そして二日目はクラスは勿論、文化部の活動の場である。軽音部や手芸部、演劇部が力を入れる発表の場がこの文化祭だ。
千歳は、今回尽八は誘おうとしていて尽八の方も誘う気でいる。二日間のうちの一日は、千歳達バレー部三年で回る気でいる。そして、もう一日は真波と回りたいと思っていたのでOKをもらえて嬉しい。
「先輩のお弁当って、自分で作ってるんですよね？」
『そうだよー』
お弁当を食べていると真波にそんな質問をされた。
まあ、この残り物は昨日の晩御飯なんだけども。
「前にもらったお菓子にも美味しかったし、先輩って結構何でもできますね〜！」
『そう？』
「そうですよー！」
『でも、出来ないことあるよ？私』
真波の言うように多いことは多いとは思うけど、出来ないこともある。
例えば、尽八や真波のように山は登れない。
あれは二人の才能と個性と努力のたまものなので当たり前だけどね。私がやるとサイクリングになる。それに千歳みたいに正確なトスもあげれないし、若利みたいな強烈なスパイクもどっかのチャラい主将....ｵｯﾎﾝ、及川みたいな強烈なサーブと選手を生かすトスはあげれない(セッターじゃないので無理)。他にもたくさん出来ないことはある。あるが、なんか真波が聞いてる意味とは違う気がする。
出来ないこと、出来ないこと....ねぇ....？
.......ゲームできませんよ？
『......あ、私あれ出来ない』
「あれ？」
『うん。私、何故か肉じゃがだけが壊滅的に作れないの....』
「え」
『レシピ通りに作っているはずなのに、何故か作れない.....！』
転生して何故か、肉じゃがだけが上手く作れないのだ。
悔しい以外の何者でもない！
作れなくなった当時の私はものスッゴく悔しくて、挑戦し続けた。途中からクロと研磨に全力で止めに入られた(ヤバすぎて、これ以上は無理と判断した二人だった)。研磨の顔を見て、断念した。「やめて.....、俺達がシヌ.....」とダイイングメッセージ残したみたく言われたので。それ以降、肉じゃがは千歳のを食べている。
「千歳せんぱ〜い！俺に肉じゃがの作り方教えてください！」
「真波君、湖羽の苦手なモノの話聞いた？」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年12月25日 19時
