◇青春は冬に ページ16
榊千歳side
「ねえ、湖羽」
『なに?』
「夕には真波君と付き合ったこと言ったの?」
『言ったけど......?』
「なんて言われた?」
梟谷と音駒との合同練習。
ちょっとした休憩タイムに湖羽達と話をしていた私。
ついさっきの試合で梟谷に負け、私達箱根学園はペナルティをこなしていた。
話の話題は湖羽の恋愛話に。黒尾君が湖羽が真波君と付き合っているということを改めて聞いていた。情報元は、私と東堂君。知らせておいた方がいいと思ったので伝えておいた。決して、相棒の鈍感さに呆れて言ったと言うわけではないよ.....!?(目が泳いでる)
いや、ちょっと無自覚過ぎて呆れたのは本当である。
『えーと、確か「そうなんですか!?今度どういう奴か教えてくださいね!日向と判断しに行きますから....」とかなんとか送られてきたよ』
「弟子とおチビちゃんか」
「夕は棗ちゃんからも情報聞いてるぽいね」
あの二人、湖羽の番犬に近いからね。中学の時、モテることに気づかない湖羽の番犬のように警戒していた。それに気づかない湖羽は、「よく会うねー!嬉しいー!」とか言っていた。推しである夕が自分の護衛というか、潔子ちゃんみたいな感じにされていると知ったら、湖羽はポーカーフェイスを崩して、顔を真っ赤にすると思う。
それぐらい、夕のこと好きだからね。
真波君とは違う意味で。
『夕が会いに来てくれるのは嬉しいよ。会うなら、春高でかな.....?』
「それは湖羽とだよね。真波君とはいつ会うか.....」
「え、湖羽の彼氏君、春高応援来ないの?ヘビ野郎はミカチャンと来るって自慢してきたのによ」
『へぇー、大将........彼女ちゃんと別れたんじゃなかったの?』
「この間の春高予選でいい感じになったらしいぜ」
ミカチャンとは、東京の高校である戸美の主将の彼女の事である。なんやかんやで知り合いの私達。私も大将君がミカチャンにフラれたことは知っていた(黒尾君から)。可愛らしい子で、さすがハイキューと思った。おしゃれで大人っぽくて。
『.........青春してるね、リア充』
「そういう意味では私達もリアルに充実してると思うよ」
『そうだね。充実しまくってる......!』
ニコッと笑う湖羽。
ちょうど、休憩時間は終わり、次の試合。
音駒とだ。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時