◇捜索 ページ28
教室を出たら私の探している人物はいなかった。
もしかして、先行っちゃった?
私を探してるのか、怒っちゃったのかわかんないけど見当たらない。とりあえず、手当たり次第探してみよう。
「お、美園じゃねーか」
『あ、藤原』
首から看板をぶら下げ、宣伝係をしている同じ三年で自転車競技部の奴だ。よく尽八にモテるアドバイスを一方的に受けている奴だ。でもって、いい先輩。
「そういえば、さっき真波の奴がお前を探してたぞ」
『え』
「その時は知らなかったら、答えられなかったがお前になら真波が向かった方向を教えられる」
『ど、どっちに行った?』
「あっち。文化部の方だ」
藤原から有益な情報を掴み、私は小走りで移動。走ってるのがバレたら、先生に説教されるのでタイムロスになってしまう。
『(文化部の方って、何か気になるのあったっけ....!?)』
───────────
いろんな場所を探して、何故か屋上の扉の前まで来てしまった私。文化部の方に行って、聞いたら今度は上の階の方に行ったって.....。
最後だけアバウトすぎるぞ!!
まあ、ここにはいないだろうと思い次の場所を探す。
『スゴい静か.....』
ここは生徒が準備や荷物を置く場所。
校舎の奥の方の何部屋か使えないようになっていて、生徒以外立入禁止のフロアである。
何でこんなとこまで探しに来てるんだろう。
いなさそうなのに....。
階段を下り、下の階へ.....。
その時、忘れていた。
北から散々注意されていた事をしていなかったことに。
_______ズルッ。
『あ』
階段の段を踏み外したのだ。しかも今回は前からで、いつもは大体後ろから登っている時に落ちるのだ。だが、今回は下り。顔面強打の可能性アリだ。
『(マズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイッッ!!!!)』
このままだと来月の春高に出られなくなる可能性大!
大有りだ!!(この間0.2秒)
どうする!?
本当にヤバい!!
ここ人通り皆無だよ!?
気を失ったりしたらヤバいよ!!?
「だから気をつけなアカンって言っとるよな?」脳内北からの言葉。本当にごめんなさい....!!傷にしみますっ!!!
『(ああ、もうヤバいっ!!)』
思わず目をつぶってしまった私は、くるはずの衝撃を待った。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年12月25日 19時