排球部エースは転生少女《６》 (ページ43)

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◇気付く梟と猫達ページ43

夏休み最後の合宿。学校の都合上烏野は参加していない。練習を終え、今日は木兎との自主練習。それも終わり、夕御飯を食べてお風呂に入った。あとは寝るだけ状態だ。

『シュワシュワだぁ.....』

「炭酸って、美味しいよね」

『ね』

林檎の炭酸飲料を片手に廊下の壁に寄りかかる。
隣には同じくお風呂上がりの千歳。

「あ、黒尾君」

『研磨に木兎、赤葦も。主将とセッターコンビだ』

彼らもお風呂上がりなのだろう。
クロと木兎の髪型がペターとなっている。

『クロって、寝癖で......身長サバ読んでるの？』

「違いますぅぅ！！ちゃんとぎゅっとして身長計ってますぅぅ！！！」

「クロ....うるさい.....」

携帯を片手に研磨はクロの声に煩そうに顔をしかめた。
あ、あれ、ゲームしてるな....。

「で、何してんの？お前ら」

『シュワシュワ飲んでる』

「寝るまで喋ろうと思って」

「お！いいなっ！修学旅行の夜みたいだな～！」

「あぁ～！やったやった！中学の時、就寝時間まで貸しきったホテルの廊下でダベってたわ～」

皆、中学の修学旅行のことを思い出して、懐かしそうに話してる。私も中学、高校と行ったなあ～！修学旅行！

「定番は恋話だったなあ」

『.....クロだけ、盛り上がってたの？』

「黒尾さん一人盛り上がってとかありそうですね」

「んなわけねーだろっ！俺含めた男子でしたわ！」

「そうなんだ....」

どうコメントしたらいいの？
この空気感でクロの好きな人を聞けばいいの？

.....いないでしょ？好きな人.....。

「......なあ、湖羽？」

『んー？』

「お前、好きな奴でもできたか？」

「え」

「「！」」

「はっ！？」

『？』

えっと、.....何言ってんの？

木兎の言った言葉に思わず、首をかしげてしまった。頭の中にはクエスチョン。目の前にいる木兎はいたって普通の表情。それに比べて、隣にいる赤葦の方が驚いた表情をしている。

「え、マジか？湖羽？」

『いや、いないけど？』

「木兎さん、何突拍子もないこと言い出すんですか」

「だって、なんか湖羽、去年の春休みよりも雰囲気が変わった感じがすんだよなあ～」

『(雰囲気が.....変わった.....？)』

再び首を傾げてしまう。

　