16*(兎の遠吠え) ページ46
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神「・・・A」
残った後悔と脳にこびりついたAの泣き顔に、強く胸が締め付けられる。
戯言の様に空しく消える言葉。
自分がしてしまった事を今さら後悔した所で、時間ばかりが立つ。
自覚は無かったけど、少なからず特別に想っていた人を泣かせてしまった。
震えていた事にも気づかず、我侭な感情を押し付けた。
神「最悪だァ…」
だが、何より最悪だと思うのはAとの関係を"終わりたくない"と思っている事。願っている事。
目頭が熱くなるぐらい自分自身に呆れる。
それでも、要約動き出した足はしっかりと立っていて、向かうべき場所は見えていた。
神「っA」
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どうしようもなく、会いたい
だって俺、肝心な事何も言ってない
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知ってしまった
気づいてしまった
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Aといると楽しくて、
自然と笑顔になれる
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Aが誰かと話していると、
凄くイライラして、寂しくなる
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初めての感情。
きっと、もう消えることの無い想い。
苦しくたって良い。
これからもAの側に居たい。
鬼兵隊につながる道。
少し奥に高杉の背が見えた。
神「A!!!」
切れる息も気にせず、更に足を速める。
そして、必死に手を伸ばし高杉の腕を後ろに引いた。
神「Aっ」
神「ゴメン!!!」
神「俺。・・・俺はッ」
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神「俺はAがッ・・・すっ・・・!!?」
神「…はァ!!?」
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神「お前。…なんだよ」
息つく間もなく告げようとした想いは、力と共に沈んでいく。
目の前の高杉のコスプレをしていた武市変平太は悪びる事も無く、神威の前に立っていた。
武「俺ァはただ壊すだけだ」
武「大江戸青少年健全育―――−−
神「…うるさい」
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時