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貴「んっ、」
自分を呼ぶ何度か目かの呼びかけは、夢ではないと瞼を開く。
そして目に入ったのは、朱色の髪。
誰だかは直に分かったが上手く呂律が回らず、ケラケラ笑う声が聞こえた。
貴「…だ、れ?」
まだ虚ろに見える視界の中。
容器に揺れるアホ毛ともう1人、なんだか顔を赤らめた人が見えて問いかける。
「A団長…!!!」
「あァ。…えっ、と」
「副団長に頼まれてご夕食をお持ちしました!!!」
突き出されたお盆に、先ほどの猩覚とのやり取りを思い出し、瞼を擦りながら体を起こした。
貴「ありがとう」
受け取ったお盆には和食が並んでおり、寝起きで乾いた喉を熱いお茶で潤す。
「…えっ、と」
貴「ん?」
貴「下っていいよ」
髪を1つにまとめて、横で神威にチャチャを入れられながらも食べ始めるが、どうしてか団員はまだ居て、綺麗な姿勢の団員は、更に赤くした顔で言った。
「あァ。…ソノですねェ」
「少しお話がありまして」
そこで1つピンときたAは持っていた箸を置き、神威を見るなり言った。
貴「神威。出て行って」
神「え、何で?」
貴「お前がいると話しずらそう」
神「俺も用事あるんだけど」
貴「後でもいいでしょ?」
ムギュ、と卵焼きを口に詰められた神威。
その美味しさにか、しぶしぶ「分かった」。と部屋の奥に向かった。
貴「自分所のお風呂入ればいいのに」
貴「…別にいいけど」
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時