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貴「沖田くん?」
探るようにAを見て、迷いも無く刀を向ける2人。
一時休戦かと、Aは刀を捨てた。
沖「正直野暮ですぜェ?」
沖「白と黒意外が此処にいるなんざァ」
貴「…それは、」
貴「まァ一理あるね」
改めて刀を拾い、見定める。
貴「でも、…」
貴「私が参戦できる理由は少なからずある」
明確ではない緊張感に信女でさえ息を飲み込んだ。
この場で本当に余裕があるのはAだけなのだろ。
Aは持ち替えた刀を器用に回し、手に馴染ませる。
そして、月明かりが動くと同時に、刃先を床へと向けた。
貴「私は、ここに転がってる人達の先輩」
貴「つまり攘夷志士―――−−
「 "紅桜" て奴なんだ 」
ニコリと無邪気な笑顔を見せると、躊躇無くまた、沖田達に向かって斬りかかった。
予想もつかない不規則な動きは沖田達を翻弄する。
沖「ッマジかよ」
沖「桂達と並ぶ伝説の攘夷志士と聞いたけどッ」
信「とんだ化け物ね」
なんとか反撃して距離をとっても、平然とまた攻めてくるAにまた、2人が飛ばされる。
息つく暇でさえAに与えられると、Aは刃先を沖田達の後ろを指す様に伸ばした。
貴「ねェいいの?…アレ」
沖「げッ、」
沖「さすがに逃がすのは土方がうるせェな」
いつのまにか屋上で騒いでいた浪士達下へと逃げ出しており、それを見た沖田は、どこからか取り出したバットで浪士達をバッティングセンターばりに打ち出した。
続けて、信女も卓球のラッケトを取り出し何故だかラリーが始まる。
貴「警察ってのも大変だねェ。…ん?」
貴「なんか外が明るく」
貴「っ…!!!」
貴「しまった!!!」
そんな2人を見ていると、どんどん見やすくなっていくのが分かった。
夜目に慣れた訳ではない。
いつのまにか現われた太陽が照らしていたのだ。
慌てて外を覗き込み外に出ようとするA。
だが、その顔スレスレに刀が刺さった。
沖「どこ行くんでェ、紅桜さん?」
逃す気など無いみたいだ。
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時