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"辰羅族"は宇宙傭兵三大部族だ。
だから、産まれた時から俺たちの周りは血の気が多かった。
殺しなんて当たり前で血を見ない日なんて無い。
夜兎の星に雨が降る様に。
俺たちの真っ白な身体の上には、いつも真っ赤な雨が降っていた。
だけど、だからといって
誰しもがその状況を受け入れられるわけで無い。
俺たちは毎日、産まれたことを悔やんでいた。
黒「怖い」
白「怖い」
黒「逃げたい」
白「うん」
白「逃げたい」
辰羅は集団戦術を得意としている。
だから同族同士で群れる。
そうするとうまれるのは格差。
臆病な俺たちは自然と死兵となった。
毎日。
毎日。
毎日。
誰かも分からない人を殺しに星々を渡り歩く。
何の目的で、どうして殺さなくてはいけないのか。
理由なんて底辺の俺たちに教えてもらえるはずも無く
ただただ、殺していた。――― -- 殺されるのを待っていた。
そんなある日。
同族同士の内輪揉めがあった。
当然何が理由だったかなんて分からないけど
星を1つ無くすほど大きな争いで、俺たち死兵はもちろん沢山の同族が死んだ。
黒「可笑しいね」
俺たちは死兵。
だから、戦う相手なんて選べない。
目の前に立つのが
黒「そんな、の」
黒「っ可笑しい」
白「ごめんっごめんッッ」
白「もう喋らないで黒葉ッ」
白「黒葉ッっお願い」
白「死なないでッっっ!!!黒葉ッっ!!!―――――
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「ねぇ、別れの挨拶なら」
「他所でやってくれる?――― 邪魔だから」
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作者名:み子 | 作成日時:2017年7月13日 20時