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山「あ、俺そろそろ部屋戻るから。じゃあね。」
「あ、うん。」
そう、山田くんが空気を読んだか、それとも元々このことを知っていたのか、部屋を出て行った。
私は慧と2人っきり。
一言で言えば気まずかった。
伊「……あのさ、俺のこと、もう嫌い?」
「…………嫌い」
伊「分かってる。」
「……嫌いじゃない、」
伊「、じゃあ、好き?」
何をどう言葉にするべきか分からなかった。
元々の性格。小さい頃に軽い発達障害って言われてたけどこの事かと初めて自覚した。
「…………嫌いになれるわけ無いじゃん、
12年間ずっと好きだったんだから、慧のこと。」
慧「うん、」
「デビューコンサートだって行ったんだよ?
ずっと、ずっと慧を追っかけてきた。」
慧「……そう考えるとファンってすごいね。」
でもね。貴方がファンの子を大切にするには、
私と別れることも必要なの。分かってるでしよ。
やっぱり慧はファンの子を大切にする気持ちが無い。
そう考えるとまた逆戻り。
「…でも、さ。だからさ。
やっぱり、別れよーよ?というか、ビジネスじゃん。」
慧「Aにとっては、俺はただの仕事相手?
そうだよな。兼用彼女も専属彼女も金出るし。」
「……うん、」
慧「でも、俺は仕事相手でいいからAと一緒に居たい。
Aは違うの?」
……違う訳無いじゃん。
でも、でも。
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作者名:ユウキイハ | 作成日時:2019年1月13日 23時