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愛って物は形を持たず、目に見えない。
だからさ、難しくて…切ないんだ。
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ただ分かっていること。
そんな言葉がテレビのドラマから流れてくる。
今日の仕事は終わり、自宅のベッドにダイブする。
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でもその分、上手くいくと嬉しくて嬉しくて堪らない。
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ここまでは辿り着けなかった私達。
私、何してんだろ。
(友人の名前)とも自ら縁を切り、慧とももう戻れない。
結局独りぼっち。
“寂しい奴って簡単だよな。
ちょっと優しくするだけで命まで投げ出してくれるんだから。”
まさにこうなるタイプだ。
純粋に推してた頃の慧を思い出す。
そんな午後11時。
〜♪
電話の呼鈴がこの寂しい空間に鳴り響く。
それと同時に液晶画面に表示されたのは“伊野尾慧”の文字。
出るか出ないか迷っていると、
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そこから一歩も動かなきゃ、
僕等は何処へにも行けない。
良い意味でも悪い意味でも。
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そんな今の私の状況を悟っているかのようなセリフが飛び出す。
その言葉を聞いた私は思わず、電話に出てしまった。
「も、もしもし?」
慧「あ、A。いやさ、記事見た?」
「……見た。だから慧の専属辞めた。
今は殆どマネージャー状態。」
慧「あのさ、そのさ…記事。
信じないでよ。」
「は?え?」
慧「……今、Aに会うに会えないから、会えるようになったら迎えに行くから。
それまでさ。待っていてよ、他の専属になんないでよ?」
それは、期待をせずにはいられない言葉だった。
不器用な彼なりに教えてくれたのだろう。
では、何故この記事は掲載されたのだろう。
そんな疑問どうでもよかった。
慧。何で会えないの?
慧「じゃあね。」
「…ちょっとまって!」
その言葉は間に合わず、ピーピーと音がなる。
胸が苦しい。辛い。
慧を信じるべきなのかなんて分かりゃしない。
ただ、信じてみたかった。
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作者名:ユウキイハ | 作成日時:2019年1月13日 23時