52p.ふわっとした幸せな感じ ページ7
まるでお店で出される出来上がりで僕は虫歯伯爵とパンケーキを交互に見る
これを虫歯伯爵が？と驚きを隠せないでいると犬神が「昨夜の事ですけど」と話し始めた。
犬神「ある程度の事は虫歯伯爵から聞いてます。この"わたし"に会ったとか……」
鋭い目線を向けて話す犬神に少し怯みながら「うん。会った」と応えると「どんな感じでしたか？」と返される
いや、どんな感じと言われても……、そう思いながら「声も姿も犬神だったよ」と答えると犬神は顎に手を当て考え込んだ
僕の言った言葉は嘘ではない
確かにあの時に出会ったのは紛れもなく犬神であった。
犬神「もしかすると＿＿＿いえ、やはり何でもありません」
一体、何を言おうとしていたんだ？
気になりながらも僕は出されたパンケーキを口に含む
それと同時に「他に変わった事は？」と犬神に聞かれ、僕はパンケーキを食べながら校門で引きずり込まれた事、目が覚めたら教室で校内が何かの植物に覆われてた事を覚えている範囲で細かく話した。
A「あと甘い匂いがしたなぁ」
犬神「今ではなくて？」
僕が口にしているパンケーキを指差す
確かに、このパンケーキは甘くて良い匂いがするがあの時の甘い匂いとは違う
あの匂いをどう説明すれば良いのか、わからないなりに言葉にした
A「えー、何かこう……ふわっとした幸せな感じ……？」
自分で言葉にしといてアレだがクソみたいな説明だと思う
犬神と話を聞いていた虫歯伯爵はお互いに顔を見合わせ首を傾げた
僕は彼らに分かりやすく言葉にしようと考えるがなかなか思いつかずにいると眉間にシワを寄せながら犬神は「それは果物のような匂いでしょうか？」と言葉にする
A「……多分」
そう言われれば、果物系の甘い匂いだった気がする……が、違うような気もする
甘い匂いなのは確かなのだがそれが果物系なのかどうかなどの細かい事が思い出せない
思いだそうとすればする程、僕はう〜んと唸りながら首を横に傾げた
犬神「虫歯伯爵、合流した時に匂いを感じましたか？」
虫歯伯爵「匂ってたかどうかなんて正直言ってわからねぇな。場面が場面だったからよ」
彼の返答に犬神は「そうですか」と言って顎に手を当てて神妙な面持ちで静止する
何か心当たりがあるのだろうか？
僕はそんな犬神を横目にパンケーキを食べ終わり、空の食器を流し台へと持って行くと虫歯伯爵に声をかけられた
虫歯伯爵「後で洗っとくから置いとくだけでいいぞ」
A「あ、そう？」
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ソルべ(プロフ) - あめらぴさん» 評価やコメントなど誠にありがとうございます。好きと言われて嬉しい限りです！執筆の励みとなり、次をなるべく早く上げれるように頑張りますね。 (2022年7月29日 2時) (
レス) id: c758b8aa54 (このIDを非表示/違反報告)
あめらぴ(プロフ) - 夜遅くに突然すみません。好きです。物語の展開から主人公の心情、恐怖の感覚や焦燥が本当にお上手に書かれていて一気読みしてしまいました…キャラの口調も性格を理解した上でのもうに見えて、もうなんか凄く好きです……… (2022年7月28日 2時) (レス) @page6 id: 0688156f54 (このIDを非表示/違反報告)
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