71p.会うのは初めて ページ28
犬神「誰って……何を言っている？はぐれるまで一緒だったでしょう？変な冗談は止めて下さい」
少し困った表情で話す犬神に僕は「冗談じゃないよ」と返す
僕が知っている犬神は腕に怪我をして包帯を巻いていたし敵との交戦もしていた
だから、包帯も外傷も何一つ無いのが怪しくておかしい
犬神「疑う理由がわかりませんね」
A「怪我をしていた気がするんだけど」
犬神「怪我……？あぁ、貴方を探している途中に親切な方がいて手当てしてもらったんですよ。ほら、この通り」
全快ですよ、と言ってその場でくるりと回ってみせて「ですので」と犬神の姿をしたその者は虫歯伯爵の方を見ながら微笑んで口を開く
犬神？「そこの貴方…もう帰っても大丈じょ」
まだ話している最中に虫歯伯爵は疾風の如く槍で突くが相手は全て避けて「何て野蛮な……！」と怒りを露わにする
犬神？「最後まで話を＿＿＿！」
虫歯伯爵「先手必勝！ついでに虫歯にしてやるぜぇ！！」
再び攻撃を仕掛けようとすると相手は煙となって消え、槍が床に突き刺さると同時に相手は僕の背後に現れて包帯のようなもので身体を拘束され口元も塞がれる
犬神？「こっち側の妖怪は血の気の多い奴らしかいないのか？」
どうにか拘束を解こうと身をよじったりするが馬鹿みたいに固く締められてるのか全く解けない
犬神の姿をした者は「動くんじゃないよ」と言葉にした
犬神？「まったく嫌だね。あっちで怒られたから、わざわざこっちに来たのにさ……コレだよ」
はぁ〜〜〜、と大きく長い溜息を奴はする
あっち？こっち？何の話をしてるんだ？
虫歯伯爵の方を見るが僕が捕まっているせいで手を出せずにいて、今の僕は完全に足手まといだ
犬神？「ていうか、君さぁ……前にも来ただろ」
"やっぱり、あの時の偽犬神と同一人物か！"と喋ろうとするが包帯で口を塞がれている為、フゴフゴとしか伝わらない
だが虫歯伯爵は僕と同じ事を思っていたようで「お前、あの時の偽物か！」と言い放つ
犬神？「ハァ？」
虫歯伯爵「先日のこの学校内で、そいつをどっかに連れて行こうとした」
犬神？「……誰かと勘違いしているようだけど、こうして会うのは初めてだよ」
「アンタとはね」と呟くと言って靄の様なものを噴き出し、犬神の姿が崩れていった
間近で見てギョッとしたのも束の間、噴き出した靄は深くフードを被った、怪しい雰囲気を纏った人の形を成すと喋りだした
？「お初にお目にかかります。自分の事は"店主"とでも」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソルべ(プロフ) - あめらぴさん» 評価やコメントなど誠にありがとうございます。好きと言われて嬉しい限りです！執筆の励みとなり、次をなるべく早く上げれるように頑張りますね。 (2022年7月29日 2時) (
レス) id: c758b8aa54 (このIDを非表示/違反報告)
あめらぴ(プロフ) - 夜遅くに突然すみません。好きです。物語の展開から主人公の心情、恐怖の感覚や焦燥が本当にお上手に書かれていて一気読みしてしまいました…キャラの口調も性格を理解した上でのもうに見えて、もうなんか凄く好きです……… (2022年7月28日 2時) (レス) @page6 id: 0688156f54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
