58p.早く行こう！ ページ15
玄関の扉に手を掛けようとすると後ろから母さんが「気をつけてね。あと、連絡はちゃんとしてね」と言って部屋に戻ってしまった
僕は「行ってきます」と誰もいない廊下に向けて言葉を放ち、家を後にする。
外に出るとスマートフォンを片手でいじりながら待っていた夜野くんが見えた
僕は「ごめん。待たせた」と声を掛けて謝ると彼は軽く「おー」と返事をして弄っていたスマートフォンをポケットにしまう
夜野「遅ぇじゃんか。お前を置いて先に行こうか考えてた所だぜ」
A「あはは……まぁ、ちょっと母さんに見つかって……」
僕らは集合場所である学校まで歩きながら会話をしていたがその事を聞いた夜野くんは「は？大丈夫なのかよ」と心配そうに言う
A「多分、了承はしてくれたと思う。うん」
夜野「多分って何だよ多分って……」
A「そういう夜野くんはどうなんだよ」
確か彼の家は厳しかったはずでは？よく夜間の外出を許してくれたものだと考えながら彼からの返答を待っていると夜野くんはヘラヘラと笑い始め「抜け出してきた」と答えた。
一瞬、理解が出来ずに「へぇ〜」と軽く流す感じに返したがすぐに「はい？」と返した
A「それ怒られない？」
夜野「普通に怒られるぜ？でもまぁ、そんときゃそん時だ。何とかなるべ」
その時はその時って……たまに彼のそういう楽観的な考えに羨ましさを感じる
そうこうしていると集合場所である校門前につき、僕らに気づいた東雲は手を振って待っていた
東雲「集まりましたね。では行きましょうか」
にこやかな表情でさぁ早く行こうと言わんばかりにコッチコッチと手招きする
まるで遊園地に来た子供のようだ
校門の門扉の横にある普段は鍵が掛かっている鉄で出来た扉に東雲が手を掛けるとすんなりと開き、中に侵入する
えっ、鍵は？本当に大丈夫か？監視カメラとかあるはずだろ？今から辞退しても良いだろうか？と扉前で悶々と思い悩んで突っ立っていると後ろから「早く入れよ〜」と言いながら夜野くんが僕の背中を押す
A(ええい！もうどうにもでもなれ！)
意を決して学校内に足を踏み入れると僕ら三人は校舎の中へと向かう
前回の様な摩訶不思議な事が起こらないとは言い切れない
鬼が出るか蛇が出るか…………悪い事が起きない事を願うばかりだ。
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ソルべ(プロフ) - あめらぴさん» 評価やコメントなど誠にありがとうございます。好きと言われて嬉しい限りです！執筆の励みとなり、次をなるべく早く上げれるように頑張りますね。 (2022年7月29日 2時) (
レス) id: c758b8aa54 (このIDを非表示/違反報告)
あめらぴ(プロフ) - 夜遅くに突然すみません。好きです。物語の展開から主人公の心情、恐怖の感覚や焦燥が本当にお上手に書かれていて一気読みしてしまいました…キャラの口調も性格を理解した上でのもうに見えて、もうなんか凄く好きです……… (2022年7月28日 2時) (レス) @page6 id: 0688156f54 (このIDを非表示/違反報告)
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