62p.ぶつかる執拗い何か ページ19
えっ？えっ？！と軽々と抱えられてしまった事に声に出して驚く
ジタバタと動いて抜け出そうとするがびくともしない
……確かに僕と犬神では体格差はある。あるけれどもハッキリ言うと犬神は細くて俗に言うスレンダーな分類であり筋肉マッチョの分類では無い。
なのに、そのスラリと伸びた細い腕の何処に筋力があるんだと思いながら僕は犬神に「下ろして」と頼むがキッパリ「駄目です」と断られてしまう
犬神「すぐに追い付かれてしまうので暫くは我慢してください。では行きますよ」
遠回しに足が遅いと言われているのだろうか。
少しだけ心が傷付きながらも大人しく犬神の抱えられる事にした僕は保健室を後にした。
扉を出て、すぐに気がつく……妙に明るい
先程まで月明かりが差す何ともない夜の暗い校内だったのに、薄暗いが懐中電灯が要らない、普通に視認出来るほどの明かさがあるのだ
そして、あの日と同じ様に植物の蔦が廊下や壁に蔓延っている
少し違うとすれば、見たことがない＿＿いや花弁は普通なのだが本来ある筈の雄しべや雌しべがなどがある真ん中の部分には人間の眼のようなモノがあって、この世の物とは思えない気色が悪い花々が咲いている事だ
その内の一輪と目があった気がして体中の毛が逆立つのを感じる
虫歯伯爵「で？今現在、何が起きている」
僕を抱えながら何処に向かっているのか分からずに移動し続ける犬神に一緒に付いてきてくれた虫歯伯爵が少し苛立った口調で言った。
犬神「ざっくりに言うと面倒くさい相手に目を付けられてるとしか」
その言葉に虫歯伯爵が「何だソレ」と言葉を返すと共にヒュッと何かが間を通る
犬神は抱えていた僕を虫歯伯爵に押し付けるような形で渡すと後ろを振り向き、手をかざす
すると一瞬にして氷山の一角のような氷の塊が目の前に現れて僕らが来た道を塞いだ
一体、どうやって氷を＿＿？と思った瞬間、氷の塊の向こう側から勢い良く何かが衝突した鈍い音がする
犬神「本当にしつこいですねぇ」
ハァ……と、犬神が溜息をし終わると同時に目の前の氷塊は粉々に崩され、ゆらりと人影がみえた気がした
人？僕ら以外にいたのか？と思いながら凝視するが姿を視認出来ない
何もいない崩壊された氷塊の向こう側を見ていると犬神が虚空に向かって話し始めた
犬神「はっきり言いますけど貴方と争う気はありません。というか、先に手を出してきたのはそちらじゃありませんか」
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ソルべ(プロフ) - あめらぴさん» 評価やコメントなど誠にありがとうございます。好きと言われて嬉しい限りです！執筆の励みとなり、次をなるべく早く上げれるように頑張りますね。 (2022年7月29日 2時) (
レス) id: c758b8aa54 (このIDを非表示/違反報告)
あめらぴ(プロフ) - 夜遅くに突然すみません。好きです。物語の展開から主人公の心情、恐怖の感覚や焦燥が本当にお上手に書かれていて一気読みしてしまいました…キャラの口調も性格を理解した上でのもうに見えて、もうなんか凄く好きです……… (2022年7月28日 2時) (レス) @page6 id: 0688156f54 (このIDを非表示/違反報告)
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