私の近所は雄英高校 (ページ7)

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ママ可愛いじゃーんページ7

美味しそうにシチューを頬張る私を、目を細めて見ながらパパは口を開いた。
｢アイ……。昔話したこと覚えてるかな？｣
｢ん？｣
私は頬をパンパンに膨らませて、パパの方を見る。
｢ヒーロー、なってみないか？って。｣
｢なるよ。｣
｢え？｣
｢私はNo.1ヒーローになるの。創と一緒に。｣
｢No.1!？そ、それはすごいねぇ。｣
｢大丈夫。なれるよ、だって私結構強いもん。｣
｢へー。じゃあ今度パパと手合わせしてみる？｣
｢……！うん！｣

｢じゃあさ、アイがNo.1になるなら、話しておかなきゃいけないことがあるんだけどさ……｣
私がシチューを食べ終わったとき、パパはそう言って口を開いた。
｢え？話しておかなきゃいけないこと？いいよ、話さなくて。｣
そう言って私は席を立ち上がる。
｢ええ！？ちょっとぉ、聞いてて！｣
｢えー……。パパの話長いし……。｣
｢分かった、出来るだけ簡潔に話す！｣
｢……簡潔に話してよ？｣
私はまた椅子に座り直した。

｢ママのこと覚えてる？｣
｢覚えてるよ。当たり前じゃん。｣
｢ママの個性は分かる？｣
｢え、ううん。分からない。｣
｢ママはね……無個性だったんだ。｣
｢…………ふーん｣
｢それでね、ママはなんでか個性持ちの人を嫌っててね、実はパパと結婚してくれたのも奇跡みたいなものだったんだよ。｣
パパは楽しそうに笑った。
｢いやぁ、ママはとっても美人でねぇ。告白されたこともたくさんあっただろうし、結婚の話も引く手あまただったんだろうけど、パパを選んでくれたんだよねぇ。時々笑った顔を見るともう本当に可愛くって……｣
｢で？無個性でどうしたの？｣
｢あ……。ごめんごめん。アイはそういうところもママに似てるよねぇ。｣
｢……で？｣
パパは焦ったように笑うと、ごめんと言って、コーヒーを飲んだ。