私の近所は雄英高校 (ページ6)

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卒業ページ6

｢創は将来何になるの？｣
｢え、私？そんなの決まってるじゃん！ヒーローだよ！No.1プロヒーロー！そんで、有名になって、万物ヒーロークリエティにサイン貰いにいくんだ！｣
｢へぇ……。｣
｢アイは？｣
｢んー、私は……そうだねぇ、私もヒーローになろうかな。No.2ヒーローになる。｣
｢えっなんで？アイならNo.1行けるでしょ？｣
｢でも創がNo.1でしょお？｣
｢うん、そうだぜ！私がNo.1さ！私とアイの二人でNo.1になるんだよ！｣
｢……二人でー？｣
｢おう！頑張ろ！｣

小学校卒業前日。
電話で創と将来のことを話した。
創はヒーローになるらしい。
私は……どうしようか。

｢卒業生、起立！｣
司会の先生の声で、一気に私たちは椅子から立ち上がった。
ガタッという椅子のずれる音が響く。
泣いてる子もいれば、眠そうな子もいる。
校歌のイントロが流れ始め、自然と体がリズムに乗る。
退屈だった。

｢アイちゃん！このあと一緒に打ち上げ行こ！｣
｢え、私？｣
｢うん！｣
名前は覚えていないが、確か創と仲の良い子達に声をかけられた。
｢でも私は仲良くないし……｣
｢へ？なに言ってんのー！うちらいつメンじゃん！｣
｢いつメン？｣
｢やだー！アイちゃん天然ー。｣
後から分かったが、彼女達は私のことを友達だと思っていたらしく、友達じゃないと思っていたのは私だけだったらしい。
しかし、友達だと思っていてくれた人達の名前すら覚えられないとは……。もうこれは一種の才能だと思う。
それは、さておき、打ち上げは想像以上に楽しかった。

パパは私の打ち上げが終わったあと、家でビーフシチューを作って待っていてくれていた。
私が家に帰るなり、｢卒業おめでとぉぉぉぉお！！｣と、大号泣しながら駆け寄ってきた。
私は若干引きながら、｢ただいま｣と言うと、美味しそうな香りのするリビングへ向かった。
｢ビーフシチュー？｣
｢うん。卒業おめでとうってことでチキンも買ってあるよ！……ケーキも！｣
｢へ～お腹すいたしもう食べて良いよね？｣
｢もちろん！どうぞ！｣
私は打ち上げではほとんど何も食べず、飲まずだったのでお腹が空いていたのだ。