七枚 ページ8
部活の邪魔になるし、私は他校生だから、と全力で遠慮した。
なのに、私は体育館にいる。
そして現在、部員の人達に囲まれている。
「清水と似てるなー」
「最初、清水が2人いるのかと思ってビビったわ〜」
「き、潔子さんに妹が……!」
以下略。
『えっと、ご迷惑をお掛けしてすみません。清水Aです』
潔「(Aが成長した……!)ごめん、邪魔はしないから」
お姉ちゃんが部員に向かって言う。
「あぁ、清水の妹なら大丈夫だ」
「ところで、その制服青葉城西だべ?」
『はい。そうです』
「明日練習試合するとこ……!」
肯定すると、後ろの方からそんな声が聞こえた。
しかしお姉ちゃんはそれに気付かず、私に向き直る。
潔「じゃあA、こっちで見てて。流れ弾に気を付けてね」
『分かった。(流れ弾……?)』
*
こんなに間近でバレーを見たのは初めてだ。
迫力があるなぁ……。
今までかるた以外に興味を持ったことがないので、スポーツも全般的に何も分からない。
かるたは"畳の上の格闘技"だけどね。
何を考えてもかるたに行き着く。
自分の思考回路に驚きながら、お姉ちゃんの持つ記録用紙に目を落とす。
『暗号……?』
潔「ふふ。これは今やってるものが成功した回数を記録しているの」
『へぇ〜』
潔子さんが笑ってる!とか聞こえたけどキニシナイ。
*
部活が終わり、お姉ちゃんは着替えてくるらしいので待っていると、声を掛けられた。
「あの!青葉城西に通ってるんですよね!?」
『はい!』
釣られて勢いよく答える。
「や、やっぱりバレー部スゴイんですか……?」
『私バレー部見たことないので分からないんです……』
声を聞いて思ったけど、この人さっき練習試合って言ってたな。
「そうなんですか……。あ、俺日向翔陽って言います!」
『清水Aです』
「さっき聞きました!何年ですか?」
『1年です』
「同じだ!じゃあ敬語なしでも良いですか?」
『どうぞー』
「でさ、バレー部見た事ないって、なんで?」
『うーん、バレー部がどんなか知らないし、体育館は騒がしいらしくて……』
「騒がしい!?」
『噂だけどね。そういうの苦手なんだ』
「そっかー」
『でも明日はみてみようかな。
あ、お姉ちゃんが呼んでる。じゃあ日向君、バイバイ!』
手を振ると、日向君も振り返してくれた。
・
その後、日向は質問責めにあったとか。
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍原(プロフ) - 返信が遅れてごめんなさい! 読みやすいと言って頂けて本当に嬉しいです(^^) コメントありがとうございます!! (2019年4月10日 20時) (レス) id: 29ee75d256 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずみかん(プロフ) - すごく面白かったです!すごく読みやすくて、楽しく読まさしてもらいました! (2019年3月19日 10時) (レス) id: 0f93b089e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍原 | 作成日時:2018年2月6日 18時