五枚 ページ6
私は今、困っている。
高校生活最大のピンチと言ってもいい程に。
……高校生になったばかりだけど。
一先ず、状況を整理しよう。
早めに学校が終わる
↓
ふと気になり、鞄の中を見る
↓
家の鍵がない
↓
何処かで時間を潰そう
↓
お財布も忘れた←いまここ
どうしよう。家に誰かが帰ってくるまで時間がある。
今日はかるた会もない。
私は悩んだ末、とある行動に出た。
詩「あんた、アホやないの？」
『詩暢ちゃんが冷たい〜』
詩「当たり前や。普通、家の鍵がないて困って、うちにかけるか？」
『周りに人がいなかったんだ……』
学校が終わってから約30分。既に教室には誰もいない。
詩「アホやな」
『てへっ』
詩「うわ……」
『電話越しに引いてるのが分かるよ。
最近さ、詩暢ちゃんと話してなかったから元気かなーって思ったの』
クイーン戦以来、お互い大会にも出てないし、連絡も取っていなかった。
詩「はぁ、あんたはそんなんやったわ」
詩暢ちゃんがため息を吐きながら話す。
『え？そんなんて？』
詩「こっちの話や。A、兄弟おらんかった？」
『うん！それがどうしたの？』
詩「鍵、もらいに行けばええやろ」
目からウロコ、といった感じだ。
『確かに！詩暢ちゃん頭良いね！』
詩「これくらい誰でも思いつくわ。ほな___『あっ、待って！』なんや」
『詩暢ちゃん、高校選手権出るよね？』
詩「もちろん」
『じゃあ、また4ヶ月後に会おうね！』
詩「3ヶ月後や。ほな」
プチッと電話が切れた。
あれ、3ヶ月後だったか。
でも、詩暢ちゃんは変わらず元気そうだったな。
『はっ、ありがとうって言うの忘れた』
＊
詩暢ちゃんの助言にならい、お姉ちゃんの高校へ向かう事にした。
定期は持っているから、お財布がなくても行ける。
ところで、烏野高校ってどこにあったかな。家と近いらしいけど、行ったことがない。
お姉ちゃんの通学する方向を見ておくんだった……。
しかし、なんとかなるか！と思い、私はバスに乗った。
＊
バスを降り、歩いていると日が傾いてきた。
誰か、この方向音痴の直し方を教えて欲しい。
携帯の地図を見ようと思ったものの、充電が切れていたため使えなかった。
歩いてる内に、何故か家の前に着いたりするし。
体力がなくなってきた頃、ようやく烏野高校を見つけた。
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藍原(プロフ) - 返信が遅れてごめんなさい！ 読みやすいと言って頂けて本当に嬉しいです(^^) コメントありがとうございます！！ (2019年4月10日 20時) (
レス) id: 29ee75d256 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずみかん(プロフ) - すごく面白かったです！すごく読みやすくて、楽しく読まさしてもらいました！ (2019年3月19日 10時) (レス) id: 0f93b089e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年2月6日 18時
