二十枚 ページ26
No side
夏休みも終わりに近づいたある日。
青葉城西高校バレー部の部員たちは、他校との練習試合後、自校へと戻る途中だった。
及「あれっ、あそこにいるの烏野のチビちゃんじゃない？」
先頭の及川が声を上げた。
岩「本当だ。誰かと一緒みたいだな」
花「おい、和服の女性とだぞ」
松「……後ろ姿からして美人ぽい」
それに続いて他の部員が思い思いに口を開く。
その数歩後ろで歩いていた国見は、気怠げな表情を隠さずに各々の視線の先を見やった。
国「(なんか見覚えあるような……)」
そんな国見の思考に気付く人は誰もおらず、もっぱら話題はあの和服の女性は何者か、だ。
日「んで、バッてなってスパーン！てとこがすごかった！」
『あはは、スパーンて感じだった？』
日「うん！夏もそう思ったよな？」
夏「うん！！」
会話内容に残念な何かを感じるも、当の本人たちは何も気にしていない。
『そっかぁ。夏ちゃんも、また来てみてね。いつでも歓迎だよ！』
夏「！ 夏にもできるの！？」
『もちろん』
顔は見えなくとも女性が笑っているのは確かで、そんな所から国見はある人を思い出していた。
日「清水さん、今日はありがとう！」
『いえいえ、こちらこそ』
夏「またねー！」
『うん、またね！』
3人は互いに手を振る。
それが終わると、例の袴姿の女性が振り返った。
そして部員たちと目が合う。
『あっ、及川さん！』
声色はそうでもないが、表情は明らかにゲッ、としたものだった。
及「あ！！」
及川は、名前を呼ばれた事によって目の前の女性の正体が分かった。
その他の部員たちは2人の見つめ合っている(語弊あり)様子を気に入らず、及川を追い詰めていく。
及「ちょっ、何さ！？」
そんな光景をよそに、国見は女性へと近付いていった。
国「何してんの？」
金田一は国見の親しげに話し掛けるさまに、衝撃を受けた。
『かるた会のイベント……。
国見君、よく私だって分かったね』
国「別に、いつもと変わらないし」
『そう、ですか』
2人の様子に、金田一は頭を悩ます。
及「だから！お前らも知ってるって！」
及川は仲間の攻撃を交わすために、叫ぶようにして言葉を放った。
『……私、袴だとそんなに誰だか分かりませんか？』
「「「「ああ！！！」」」」
Aの事が誰だか分からない人がいたのは、普段と何処か雰囲気が違ったからである。
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藍原(プロフ) - 返信が遅れてごめんなさい！ 読みやすいと言って頂けて本当に嬉しいです(^^) コメントありがとうございます！！ (2019年4月10日 20時) (
レス) id: 29ee75d256 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずみかん(プロフ) - すごく面白かったです！すごく読みやすくて、楽しく読まさしてもらいました！ (2019年3月19日 10時) (レス) id: 0f93b089e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年2月6日 18時
