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十五枚 ページ16

半年振りのかるた大会から3日。

放課後、課題を終わらせてしまおうと教室に残っていると、担任の先生に手伝いを頼まれた。

そして1人では時間がかかるだろう、とたまたま教室にいた国見君も一緒に頼まれた。


『あ、先生、国見君部活……』

声が小さかったのか、先生はそのまま行ってしまった。

「いいよ、今日はないから」

『そうなんだ』


早くやろ、と国見君は椅子に座る。

私はそれに答え、プリントをまとめ始めた。


『昨日も大会あったんだよね。お疲れ様です』

「うん。」

負けたけど、なんて国見君は言う。

『そっか。それでも凄いよ』

「んー。ねぇ、かるたってどんなの?」

『え、どんなのって……』

漠然とした質問に、少し悩む。

「クイーン、なんでしょ?あ、元か」

大抵の人が気を遣ってくることを、国見君はさらっと言いのけた。

『うん。そうだねぇ……』





「分かった。分かったから、一旦ストップ」

『はい』

つい長く語ってしまった。手元を確認すれば、プリントの束ができ上がっていた。

「軽率に出すべき話題じゃなかった……」

『あはは、ごめんね。私、かるたの事になると止まらないらしいから』

「早く言え。んで、土曜の大会はどうだったの?」

『勝ったよ。』

あっさりと言った私に対し、国見君は拍子抜けしたような顔をする。

「勝ったって……優勝?」

『うん』

「その割には結構普通じゃね?」

『そうかな?これでも喜んでるよ。でも、これから色んな大会があるからね』

「ふーん。プリント出来たし、帰るか」

『そうだね』

2人で職員室へプリントを持っていくことになり、席を立つ。


並んで歩きながら、ふと思った。

国見君て、こう言ったら悪いけど、他人に興味無さそうなのによくかるたの話聞いてくれたなぁ。

気まぐれなのだろうか。

私は不思議に思いながら、プリントを持って歩いた。




先生にプリントを渡し、下駄箱に向かう途中。


『そうだ』

「?」

私はゴソゴソと鞄を探る。

『はい、この前のお礼。フルーツサンドは好みが別れるらしいので飴にします』

「あぁ。どーも」

国見君に渡したのは、最近はまっている飴だ。丁度良いと思い、今渡すことにした。

「って何これ。要らないもの?」

『失礼な。これも好きな食べ物だよ』

「え。プリン味の飴が?」


イマイチな反応をされた。

美味しいのにな。

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藍原(プロフ) - 返信が遅れてごめんなさい! 読みやすいと言って頂けて本当に嬉しいです(^^) コメントありがとうございます!! (2019年4月10日 20時) (レス) id: 29ee75d256 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずみかん(プロフ) - すごく面白かったです!すごく読みやすくて、楽しく読まさしてもらいました! (2019年3月19日 10時) (レス) id: 0f93b089e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍原 | 作成日時:2018年2月6日 18時

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