recoup【紫】 (ページ22)

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私は坂田さんのことを好きだと思ってた。

でも志麻さんのことを意識すると、志麻さんのことが好きだと思ってしまう。

なんでそんなに歪んでいるんだろう。

なんで私の想いは揺らいでるんだ。

私は志麻さんのことが好きだと確信した。

私は行動にすぐに移すから今言わないといけない。

さ「…まぁ、俺、帰るわ……。うらさんとの用事もあるし。」

し「おけ。……じゃあ、明日。

　またね、A。」

……いかないで。

ちょっと待って。

『…っ、志麻さんっ……！』

し「…？どしたん？」

さ「お邪魔しましたー(棒」

坂田さんは病室から出ていった。

し「…んで、なに。どした？」

『…私、今わかったんです。

　志麻さんと暮らしていたときのこと、少しずつ思い出してきました。』

そう思えば、少しずつ思い出してくる。

『……私、志麻さんのことが、好きです。』

し「…え。坂田やなかったっけ？」

『…あんなの、嘘のようなものですよ。』

私の言っていることは、偽りなんて、ひとつもなかった。

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