その後【68】 ページ28
「え、祐也っ…!?」
目の前には息を切らした祐也。
祐也は壇上に登ってきて、私の目の前までくる。
「え、え…?」
何でここに祐也が―――…?
私の頭の上にはきっとはてなマークがいっぱい。
そんな私を見て祐也は、
手「自分だけ好きなこと言って勝手に終わらせんなよ」
そう言って私の前に見せたのは昨日の夜、泣きながら書いた離婚届。
「それ…」
手「…泣きながら書いたのバレバレなんだよ。おかげで離婚届くしゃくしゃだし、文字も涙で滲んでるし」
「だ、だって…」
手「……だから、こんなの出せないな」
．
目の前でびりびりと破かれた離婚届。
私はビックリして声が出ない。
そして次の瞬間、ぎゅっと抱きしめられた。
．
手「やっと、こうできた」
「え…?」
手「ずっと、こうしたかった」
祐也は私を包み込むようにきつく抱きしめる。
手「…ごめん、離婚したいなんてバカなこと言って。
どうせAのこと嫌いになれるわけなんかないのにさ。
変な意地張ってた。山田のことも…実際全然余裕なんてなくて、嫉妬してた。
ごめんね、たくさん酷いこと言って」
「っ……」
私は首をぶんぶん振る。
手「――…勝手だけど、もう絶対離したりしない。だからもう一度言うね。
……一生、俺の傍にいて?」
「っ、あたり、まえ…だよっ…」
泣きだす私を見てまた祐也は「泣き虫」と笑って私の涙を拭いてくれた。
やっぱり、涙を拭いてもらうのはいつだって祐也がいい――…。
「私こそ、不安にさせて…ごめんねっ…」
手「…もういいよ」
おでこをくっつけ合ってまた二人で笑った。
．
『あのー……我々もいるんですけど…』
「あっ…」
ハッと我に返って周りを見るとたくさんの人たち。
そうだ、記者会見中だった…。
全部見られてたんだと思うと急に恥ずかしくなる。
手「やべ、忘れてたわ。………ごほん、とりあえず…皆さんお騒がせしてすみません。
これからも夫婦仲良くやっていくので…どうか温かい目で見守っていてくださると嬉しいです」
それから祐也と二人で深く頭を下げた。
少しずつ鳴る拍手。
きっとまた世間からの反感を買ってしまうだろう。
だけどやっぱりこの人となら乗り越えていける、そう思った。
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みるきぃ - 優穂さん、素晴らしい作品をありがとうございます。この作品で、勇気づけられました。諦めようと思っていた片想い、続けようと決心することが出来ました。片想いって悪いことじゃないとこの作品で気づきました。本当にありがとうございました。 (2018年4月21日 0時) (
レス) id: 56946e8e08 (このIDを非表示/違反報告)
優穂(プロフ) - 小山慶一郎&;水上颯さん» なかなか更新できずに申し訳ございません。これから少しずつ更新していこうと思っていますのでどうか温かい目で見てくだされば光栄です!今後ともよろしくお願いいたします (2018年4月14日 20時) (レス) id: 3fb30be1a4 (このIDを非表示/違反報告)
小山慶一郎&水上颯 - すみませんm(_ _)m 同じものを2つ送ってしまいました｡ごめんなさい｡ (2018年3月17日 22時) (レス) id: 0c967261d6 (このIDを非表示/違反報告)
小山慶一郎&;水上颯 - 優穂さん 初めましてじゃないかな?私,シークレットカンファレンスの方が見たいんですけど,更新お願いできますか? (2018年3月17日 22時) (レス) id: 0c967261d6 (このIDを非表示/違反報告)
小山慶一郎&;水上颯 - 優穂さん 初めましてじゃないかな?私,シークレットカンファレンスの方が見たいんですけど,更新お願いできますか? (2018年3月17日 22時) (レス) id: 0c967261d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優穂
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/aiha3/
作成日時：2018年1月26日 23時
