シークレット・カンファレンス【T.M】

16　貴久SIDE ページ16

小山「最近成斗くん貴久先生によくなついてますね」



お昼を食べて今はお昼寝の時間。
成斗くんはスヤスヤ眠ってしまっているにも関わらず、俺の手を離さない。




「俺も嬉しいですよ。こんなに子どもに好いてもらえるなんて」




小山「…なんだか本当のお父さんみたいですね」



「なっ……」



小山「はは、顔が真っ赤ですよ」



「……そうなれたら、幸せでしょうね」



なんだろう……成斗くんは元々甘えん坊だったけどここ最近もっと甘えん坊になった気がする。
今はパパと会えてないからきっと寂しいのだろうか。



「…成斗くんが寂しい思いしないように、成斗くんのパパが帰ってくるまでは俺が父親代わりになれたらいいな…って思うんですけどね」




そんな図々しいこと、本人には言えないけど…。




小山「それをAさんに言ってあげたら、すごく喜ぶと思いますけどね」




園長の小山先生は俺の気持ちに気づいているからなのか、たまにこうやってからかってくる。
……俺はきっと成斗くんママに他の保護者のママたちとは違う感情を抱いている。
それはきっと――…恋愛感情だと、思う。
だけどそれはなるべく自覚しないようにしていた。
そうなるとどうしても成斗くんを特別扱いしてしまいそうだったから。




小山「貴久先生はどの子にも好かれて、どの子にもちゃんと平等に接しているのでなんの心配もいらないですよ」




顔に出ていたのか、言葉に詰まった俺を見兼ねて俺の心の中を読む小山先生。





「……なら良かったです」

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