loveletter 41 ページ41
「手越くん…授業は…」
「そんなのどうでもいい。Aちゃんの方が大事だから…」
「でも良かった、無事で…」と手越くんはその場に座り込む。
手越SIDE
「Aちゃん…大丈夫?」
「うん…今は落ち着いてるから大丈夫だよ」
「良かった…あのさ、シゲにこのこと…」
「っ…ダメ、絶対ダメ!」
言うとしたことが分かったのか、Aちゃんは俺の肩を掴んで首を横に振る。
「お願いっ……シゲにだけはっ……」
その手は震えていて。
「……ごめん、約束するよ」
「…お願い、手越くん」
これはAちゃんとの最後の約束。
絶対に――……この約束を守り抜こうと改めて決めた。
・
・
「えっ…まっすー、今なんて…?」
俺はまっすーに呼ばれて、別の部屋に移動した。
「…Aちゃん、もう長くない」
俺は耳を疑った。
「は?……なにそれ、冗談だろ」
「冗談でこんなことが言えるわけない。…検査で、血栓があるのが見つかった。
このままいけば心筋梗塞になりかねない。そうなれば―――……」
その先は聞かなくても分かった。
「Aちゃんは多分自分の身体が徐々に悪化しているのは気づいてる。
Aちゃんは…覚悟はできてると思う」
やめてよ、そんなこと言わないでよまっすー。
「ねえ、手術するって手もあるんでしょ?だったらしてよ!!」
「もし手術をして成功したとしても――…いつ再発するか分からない。
しかも、急に心臓に酸素や血液がいかなくなって死に至るケースも少なくない。
…お前の友達みたいにな」
「っ………じゃあ、Aちゃんは…」
「……手越、お前も覚悟しておいた方がいい」
嫌だ、やめて。
「もちろん、最善は尽くす。………けど、もしもの時は―――…」
「…………っ」
もう大切な友達を――…失いたくない。
貴方SIDE
それからしばらくまた入院することになった。
増田先生曰く、「様子を見るため」
だけど……なんとなく分かってた。
それだけじゃないってことは。
自分はあと少しなんだ――…と。
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aiko0818(プロフ) - はじめまして、本当に涙が止まりませんでした。私自身いろいろあったので胸に刺さるものがありました! 今まで読んできた占ツクの中でこの作品が一番です! (2019年2月25日 4時) (レス) id: da05e9742d (このIDを非表示/違反報告)
優穂(プロフ) - えりかさん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません!コメントありがとうございます!本当ですか!?そんな風に言っていただけるなんてとても嬉しいです!他の作品も是非読んで頂きたいです!今度とも作者共々よろしくお願い致します! (2018年1月10日 11時) (レス) id: ef5e35eafa (このIDを非表示/違反報告)
優穂(プロフ) - miho ?さん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません!コメントありがとうございます!初めまして、数ある中から私の作品を見ていただきありがとうございます!感動していただけて嬉しいです!素敵だなんてとてももったいないお言葉です泣 これからも頑張ります! (2018年1月10日 11時) (レス) id: ef5e35eafa (このIDを非表示/違反報告)
優穂(プロフ) - ぽんちょ。さん» お返事遅くなり申し訳ございません!コメントありがとうございます!初めまして、感動していただけたならとても光栄です!大変恐れ多いお言葉です泣 日々精進して参りますので今後ともよろしくお願い致します! (2018年1月10日 11時) (レス) id: ef5e35eafa (このIDを非表示/違反報告)
えりか - 涙が止まらなかったです!!もっとあなたの作品読みたいです!! (2017年12月27日 12時) (レス) id: c7a9fd526b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優穂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/aiha1/
作成日時:2017年7月26日 14時