君に捧げる恋歌【S.K】

loveletter　36 ページ36

「今日の欠席は…手越と加藤か」









朝のHRでの出席確認。









今日は二人がいなくて。









いつも目立つ金髪の手越くんと、目の前にある大きい背中はない。









…手越くんとシゲの友達の最後のお別れの日。









シゲもその友達とは仲が良かったらしく、たまにお見舞いにも行っていたらしい。









退院する時その彼は主治医の先生から、「再発する確率はないに等しい」と言われるくらい容態が良かった。









それなのに―――――……。









・









「…昨日、容態が急変したって友達のお母さんから連絡がきて。









すぐに病院に運ばれたって。









俺は急いで病院へ向かった。









そんで一晩中寝ないで、友達に付き添ってた。









この前まであんなに元気だったのに……昨日会った時はもう顔色も悪くて発作も止まらなくて。









今日の朝、主治医の先生から――…あと少しだって言われた」









私は、夜空を見上げながら話す手越くんを黙って見つめるしかなかった。









「その時頭ん中が真っ白になった。そんなはずない、また元気になって一緒にサッカーするんだって…思ってた。









…けど、今日のお昼頃………息を引き取った」









そこで泣き崩れた手越くん。









私はただ、そんな手越くんを抱きしめることしかできなかった。









そして自分の不安と恐怖を必死に押し殺そうとした。









・









さっきまでの舞い上がっていた自分はもういなくて。









・









・









私の命のタイムリミットは刻々と迫っているのかもしれない。

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