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まふまふside
「これ、ここに巻く処置しましょう！
そんで、これ！僕の家ね、すぐ近くなので！」
スマホで検索して包帯や家の写真を見せ、お姉さんの足(怪我)や家の方向、自分を指さして何とか意思の疎通を試みる。
必死に伝えた結果、伝わったのかは分からないけれどお姉さんは頷いてくれて、そのまま僕の家に行くことになった。
先程でたばかりのマンションのエントランスをもう一度潜り、自分の部屋へ招く。
そういえば女性がこの家に来るの初めてかも…。
なんて、親友のお姉さん、しかも関わってまだ数分の方になんてことを考えているんだと頭を振りスリッパを並べた。
「とりあえずAさん、こちらに座っててください。救急箱持ってきます。」
ソファーをぽんぽんと叩いて招けば、ぺこりと頭を下げて座るお姉さん。
血が垂れてしまうかもしれないからタオルも持っていかないとな…。
どうしてあんなに血が出ていたのかは分からないけれど、急がなきゃ。
「お待たせしました。傷、みますね。」
救急箱を抱えてリビングに戻り、お姉さんの足の下にタオルを敷く。
靴下を脱がせていいか指を指して聞けば、理解してくれたのだろう、こくりと頷いて貰えた。
「っっ！」
靴下をずらす時、お姉さんの体がビクリと跳ねる。
「痛かったですよね、ごめんなさい。」
慌てて声を掛ければ、ふるふると首を振るお姉さん。
靴下で抑えられていた傷口は、パックリと割れていて血はまだ溢れてきた。
かなり深い傷のようだ。
靴下も先程気付いた時とは比べ物にならないくらいに血の色に染っていた。
「っいた、」
靴下をタオルの上に置く時、ちくりと何かが刺さる。
……ガラス？
「まさか…Aさん、ちょっと痛いかもですが我慢してください。」
「あぅ…っ！」
そう言って傷口を少し開き目を凝らす。
お姉さんの呻き声が聞こえたが、今はそれよりも……
「やっぱり、洗ってないんですか。傷口にガラス片が残ってる。」
キラリと小さな粒が、ぱっくりと開いた傷口の深くに複数光った。
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作者名：くま | 作成日時：2023年1月16日 21時
