ただ、愛がほしいだけ【マサイ】 (ページ9)

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買い物を終え、マンションまで歩く道中

Aさんを見つけた

…なんか、デジャヴだな

でも、Aさんの隣にいたのは

前見たチャラめの男性とは違った

どちらかというと、真面目そうな。

しかも、恋人繋ぎだ

前見た人は彼氏じゃないって言ってたもんな…

じゃああの人も、そうなのか…？

いや、本命はいるとか…？

あー、もう、なんなんだよ

少し歩けばマンションの前だ

同じ間隔を保ちながらその距離を歩いているが

妙に足取りが重い

決して尾行してる訳ではないけど…

マンションに着くと、男性は帰るようで

向かい合って会話を始めた

…これ、どうやって入ればいいんだよ

もう絶対バレるだろうという距離まできたその時

男性がAさんにキスをした

Aさんは少し顔を赤らめて照れている

…あんな幸せそうな顔

自分に向けられたらどれだけ幸せだろうか

そのまま男性は立ち去り、Aさんはヒラヒラと手を振った

そして俺もマンションに着いた

何も見なかったことにしよう

マ「Aさん」

背を向けていた彼女に声をかけると

ビクッと肩を揺らした

「あ、マサイ、さん…」

マ「…どしたの？」

「…いえ、なんでもないよ、です…」

マ「なにその日本語w」

「まだ慣れないんです！」

ムスッと頬を膨らます彼女はとても可愛かった

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