胸の高まり ページ13
調子が狂う。
ただその一言に尽きる。相手はあの爆豪なのに、性格も最悪なあの爆豪なのに。それでも心臓の辺りにそっと手を当てるとこの胸の高鳴りは嘘じゃないと嫌でもわかる。
前を歩く爆豪をじっと見つめても奴は振り返らず、眉間に皺のない彼らしからぬ顔でただ歩いているだけ。
さっき頭を撫でたのは、どういう意味？
なんて聞けるわけがない。そうです私ウブなんです！穢れなき少女なんです！
｢............暑い｣
｢へ？｣
突然立ち止まった爆豪にまたもや素っ頓狂に声を漏らした時操。しかし彼はその様子を気にすることも無い。
｢あれ、貰ってこい｣
指さす方向には団扇を配るバイトのお姉さん。
いや自分で行けやあ！！
普段ならブチギレる時操だが今日は色々あり少しおかしくなっているのか、素直に指された方向へ歩き出す。
｢はい｣
ぶっきらぼうに差し出されたものを爆豪は凝視する。
｢てめぇ......舐めとんのかコラァ！！｣
明らかにチンピラのセリフを披露した爆豪の前に差し出されたのは団扇、ではなくちょっと怪しげなキャバクラの宣伝用ポケットティッシュ。
あれ？爆豪顔少し赤くない？どうしたの？
｢私じゃなくて爆心地が欲しがってたって伝えたら喜んでたよ、今度行ってみたら？あんたの数少ないファンだし｣
しかもその子巨乳だったよと要らないジェスチャーをする時操。勿論傍から見れば痴女である。
仕返し成功か？とばかりににんまりとプルプル震える爆豪を煽る。しかし彼女の予想に反して差し出したポケットティッシュは爆豪の手に渡った。
｢俺がこういうとこ行ってもなんも思わねーのかよ｣
｢え、｣
爆豪は時操の腕を掴まえてその唖然としている顔に自らの顔を寄せた。
そしてその薄い金髪が頬をくすぐる位の距離まで詰める。
｢ねえ、ｯ爆豪近いって、 ん｣
後ろに下がろうとした力もすっかり抜けた時操は唖然としたまま固まった。しかし爆豪はそれ以上何も言うことなくすぐに解放してまた人混みへと歩き出す。
｢.........はじめて、なのに｣
その白い人差し指で自らの唇をなぞる。
ただ唇と唇が触れただけのキスだったが、そんな経験皆無な彼女としては放心状態に陥るのも無理はない。
嫌なはずなのに、なんで。
でも頭はこんがらがるばかりなのでついに時操は考えるのをやめた。
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eye(プロフ) - なしなつさん» 私｢マズイ！！夢主となしなつさんとで感情の高低差がエグい！！！｣ (2019年7月16日 21時) (
レス) id: 398f10c90b (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - 爆豪「勝己、な」私「勝己ぃいいいいい！！！！;;」 (2019年7月16日 20時) (レス) id: 567b9ad697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年7月16日 15時
