* morning ページ10
morning
朝のキスを暫く拒まれてたのもこれで合点がいった。全てはこの日の為の布石だったのだ。
「勝己、助けて」
届かないの、とわざとらしく八文字に眉を結ぶA。舌打ちをして俺が一番気に入っているそのブラのホックを留めてやる。
ありがとう、と前を向いて笑いながら髪を揺らす下着姿のAに朝から大きなダメージを食らった。
「ねえ、なんでそんなに下向いてるの ?
もしかしてドキドキしちゃった ?」
正解だわクソ、なんて言うと負けを認めているようなものだ。自分が優位に立っているのが余程嬉しいのか腕を首に絡ませてくる。
「ねえ、こっち見てよ」
そう言われて目線を落とせば下でぺろりと下唇を舐めて怪しく目を細める。今の格好からして必然的にその豊満な胸にも視線が行くわけで顔に熱が集まるのを感じる。
「目つぶって」
こっちを見ろと言ったり目をつぶれと言ったりコロコロと意見が変わるやつだ。正直このまま何もしないというのも耐えられねえから黙って従うが、キスのひとつでも落としてくれることを期待していないと言ったら嘘になる。
「んふふ、勝己睫毛長いね」
おーわり、そう言ってあっさりと突き放される俺。
「てめぇ.....いい度胸してんな」
モヤモヤとした心に一瞬で火が放たれ、自分でも驚く程すぐキレた。後悔させてやるよ。ゆっくりと逃げられない小動物と狩りをするように壁際へと追い詰めてゆく。
「勝己、ルール、」
「あ" ?!もう1万でも100万でも払ってやるから安心しろよ」
「ちょ、ホントにストップ、ストップ !!」
遂に部屋の角へと追い詰められたAはいよいよ本気で焦り出すが俺の耳には届かない。下着一枚というあまりに無防備な格好をするから悪いんだ、とさっき留めてやったホックに手をかけた_____
ピーンポーン、なんとも間の悪い音。
Aは嬉しそうに「ホラ!!勝己!!インターホンだよ!!」と俺に詰寄る。
「.....居留守使う」
が、次の瞬間ドンドンドンやる。、と強くドアを叩く音がして振り返る。
『Aちゃん !! 大丈夫 !!? 居るなら返事してよ !!!返事がないなら扉を壊すからね !!』
「.....クソナード呼んだのか」
危なかった、といつの間にか俺の腕を抜け出して無地のTシャツに袖を通すAは“ヴィランに襲われてます、たすけて”というメッセージを送信済みのスマホを俺に見せた。
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「残念だったね、かっちゃん」
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小桜(プロフ) - イタズラされるかっちゃんの姿は新鮮で、とっても面白かったです! (2021年9月17日 7時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
エヴァン - 面白かったです!! (2019年12月6日 0時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 花帆さん» そう言っていただけると頑張った甲斐があります、、!!最後までお読みいただきありがとうございます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: 398f10c90b (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 彼女の悪戯に耐えるプロヒーローかっちゃんが新鮮で面白かったです(o>ω<o)完結おめでとうございます! (2019年7月21日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 大変遅れたコメ返し申し訳ありません、、 (2019年7月15日 21時) (レス) id: 398f10c90b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:eyeヾ(ö?<?)。?? | 作成日時:2018年10月2日 20時