彼女の嫌がらせを一週間我慢する話【爆豪勝己】

Saturday ページ8

「休日出勤ご苦労さまです」

「おう」

いつもより口角を上げてご機嫌な裏にはまた大きな仕掛けを用意してるんだろうな、と嫌な予感を膨らませ夕食の準備が出来た席につく。勿論俺の真横に設置されている赤いシルクをかぶった物体はガン無視で。

「あ、待ってまだ食べないで ！！」

箸を自分の口のそばまで持ってきた所でそんなことを言われ、仕方なくそこでストップしてやる。すると彼女は自身げにコホンと咳払いをする。

「今回、一番の自信作を発表したいと思います」

もったいぶって、布の橋をひらひらと見せつけてくる所が腹立つ。

「___じゃじゃーん ！！」

「なんだよコレ」

赤い布の下から現れたのは1台のロボット。それも何故かパンチパーマでエプロンを付け、フライパンとフライ返しらしき物を両手(と呼んでいいかはわからないが)に持っている。

「おかんロボット」
またいつもの如く顔を顰めて聞き返そうとすると手で制止される。すぐ分かるよ、とウィンクをかますその目を潰したい。


ギ、ギギ
オイルをさし忘れた扉のような音から、ソレの電源が入れられたようだ。が、少し待っても動く気配もない。Aは説明する気もなさそうだしもう食っていいだろ。

そうして再び箸を口に近づけた__『 コラ！イタダキマス ヲ イイナサイ ！！ 』

.....。
成程、おかんロボットってそういうことかよ。
横目でAを確認すると今にも吹き出しそうだ。面倒臭いものつくりやがって、とこの日1番の舌打ちをかました。



＊


『ハシ ノ モチカタ ガ キタナイ ！！』
『モット ヨクカンデ タベナサイ ！！』

『テレビ ノ リモコン ハ モトノイチニモドス ！！』
『ヌイダ フクハ センタッキ』

洗濯機ではなくせんた“っ”き と言わせる要らないクオリティの高さはAがつくった物らしい。細かい所まで一々指摘されるウザさに俺のイライラゲージはとうに限界を超えている。

しかし、キレたら罰金1万円というルール(既に2万円取られている)がなんとか思いとどまらせていた。


が、風呂上がりパンツ一丁で洗面所のドアを開けた俺に放たれた、

『アンタ ソノパンツ ダサイワヨ。コンド オカアサンガ カッテ キテアゲル』

を我慢なんてぜってぇ無理だろ。

.


.


.

「上等だ殺してやるわボケぇぇぇぇ ！！」



__________

もしかしたらバグでこのページが上手く表示されていなかったかも知れません...。恐らく今は大丈夫だと思うのですが申し訳ありませんでした。

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