彼女の嫌がらせを一週間我慢する話【爆豪勝己】

Monday ページ3

パンｯ

パンパンパンパンパンパンパンパンｯ


「はァァァァ ？！」

玄関を開けて目にしたのは小さなオレンジのクラッカー手にするA。俺が帰ってきたのを確認して笑顔でAがそれを1発打った。
なんだこの拍子抜けしたモノはと思った瞬間、背後から何発ものクラッカーが鳴り響く。

「おかえり勝己、ご飯できてるよ」

初めのイタズラが上手く決まったことでくすくすと笑いながらリビングへと消えていく。
後ろを確認するとドアに細工して大量のクラッカーがなるような仕組みがセットされている。ご丁寧にハート型で。クソ悔しい。




＊




ダイニングテーブルの前に立ち、丼に恐ろしい程の技術で30cmに達するほど盛られたご飯を見つめる。

「早くしないと冷めるよ ？」

そうやって微笑む顔だけは可愛らしいから辛いものだ。食卓に並ぶおかずは大量のキムチのみ。嫌がらせというより手抜きがしたいだけのようにな気もする。

「オイ、米はこれで全部か ？」

「あと炊飯器2台分あるよ」


米の炊き方トリッキー過ぎんだろ。

だが、まだ今日は1日目。こんな所でへばってちゃ残りの6日間は到底耐えられるわけがねえ。
俺はやってやるよと意気込んでテーブルに着いた。




＊



無理。


腹が裂ける。


「わー残さず食べれて偉いね〜」


後ろからバカにする声に反応して口を開くと多分全部出る、お粥になって全部出てくる。だから言い返したい気持ちをぐっと堪えてコイツの方を振り向く。


「.....」

今日はあと一つくらいで終わるだろうと予想していた俺の勘は的中なようで『おつかれ！今日は終わり！』というプラカードを持って立つA。いや、おかめ。おかめのお面を付けたA。

なんとも間抜けな一日の締めくくりに少し胃が重くなった気がした。

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