彼女の嫌がらせを一週間我慢する話【爆豪勝己】

決戦前夜 ページ1

「遂に明日ね」

「おう」

ひとつ屋根の下で暮らす男女らしからぬ雰囲気が漂うリビングで俺は力強く鼻から息を吸い込む。


「精々俺を楽しませろよ」

プロヒーローとしてデビューして約4年、マスコミからはやれヴィランの方が似合うとはやしたてられ遂に昨年悪人顔ヒーローランキング一位を獲得した。そんな俺が言うのだから間違いない、今コイツの前で見せているは最っ高に悪い顔だ。

しかしそれに怯むことなく舌打ちとメンチで応戦してくる同棲相手は流石俺の恋人、いや女としてどうかとは思う。しかしそんな所にもグッと来てしまうのは俺も相当重症だという証だろう。

「明日の夜には枕を濡らしてたりしてね」

そう鼻で笑い自信の籠った目で俺を見上げる。殺気では無いがそれと似ているであろうものを感じた。が、数々の修羅場を潜り抜けてきた俺は屈しねえし屈するわけがねえ。勿論コイツもそう簡単に俺がギブアップするとは思っていないだろう。



「おやすみ、マイダーリン」

「おうゆっくり寝ろよ、マイハニー」


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こうして俺たちの、長くてくだらない一週間が幕を開けた。

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