甘 っ た る い 【ヒロアカ】【短編集】

轟焦凍【ご褒美】 ページ15

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「A、ここ座れ」


ぽんぽんと自分の膝を叩きながらソファに沈む焦凍。なんとなく怪しいニオイに目を細める。



『なんか、やだ』

「.....」



うう、視線を感じる。

正直顔を見たくない。
だって見たら最後、断れなくなりそうだから。

私が言うのもあれだけどウチの彼氏様は美形過ぎる。ここに惚れた弱みってやつがプラスされるともう無理なのだ、なんでも言うことを聞きたくなるのだ。



「.....A」





.....。


『.....オシオキとかじゃないよね ？』

「！ おう ！」

『ちょっとだけ、ね』


私が弱いのは彼の顔だけではなかったみたいだ。
次からはちゃんと耳も塞ごう、と心に決める。






そっと彼の膝の間に腰掛ける。

するり、と手が伸びてきて完全にホールドされた。






『なに、この手』


うーん、不安だ。
とりあえず解けるか試しているけど歯が立たない。







格闘する私に吹き出しながら、焦凍はとんでもない事を言った。


「今日はお仕置きじゃなくて、ご褒美」



『んん ？！』

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