甘 っ た る い 【ヒロアカ】【短編集】

死柄木弔【ハグ】 ページ11

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『弔、.....ぎゅってして欲しい』



暇そうにベッドに寝転ぶ彼に、そうお願いしてみた。








「は、ガキかよ」





口ではそんなことを言いながらも、少しだけ姿勢を崩して私を受け入れるような素振りを見せるので遠慮なく甘えてしまおう。

彼の平均より少し低めの体温が心地よい。



『また少し筋肉質になった ？』





布越しに感じる彼の体は以前よりも硬くて、男の人ならではのゴツゴツ感が増したように思える。

返事は返ってこない。
その代わり、彼の腕が私の背中に躊躇いがちに回された。







そんなちょっとした動作でも心臓が飛び出しそうになって、辛い。




だって勘違いしそうになるから。







「お前はもっと食え、折れそう」





心配してくれてる、のかな ？
その顔を見上げるといつもより穏やかそうな眼があった。





私たちは、付き合ってる。
でもそれは私の一方的な想いに弔が付き合ってくれてるだけだ。

それでもいいと思ってた。思ってたはずなのに、もっと欲しくなるのは人間の性だろうか。




そろそろ愛が抑えきれそうにない。
これ以上この感情を心の中に押しとどめておくと、そのまま心臓が締め付けられて潰れてしまいそうだ。

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