【A3!】兄さん、恋愛感情はないけど愛しています (ページ12)

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ケーキが11つ【似てるけど似てない兄妹】いづみside ページ12

誉「立ち話もなんだし入るといい。もちろんいいよね、監督さん」

ほ、誉さんが、あの誉さんが、

私のことをさん付けで呼んだことに驚きが隠せず、慌てて答える

いづみ「えっ、あっ、はい。どうぞ」

妹さんが現れた瞬間、変人が紳士になった

これが妹パワーなのか

はたまた紳士のように振る舞っているだけなのか

どちらにせよ今の誉さんには違和感しかない

誰でもいいから誉さんを私の知ってる誉さんに戻して

なんて助けを求めても戻るわけがないから諦めてリビングまで案内する

貴女「掃除が行き届いた綺麗な部屋ですね」

おかしい、先ほどまで誉さんが出したアルバムでリビングは埋め尽くされていたはずだ

誉さん、いつの間に直したんだろう

それともリビングにいたみんなが直してくれたのかな

誉「今日はこんな時間にどうしたんだい。お兄ちゃんに会えなくて寂しかったのかい」

貴女「うん。それもあるけど真澄くんに借りた教科書を返しに来たの。すっかり返すの忘れてて」

誉「そうか。次からは忘れる前に返すんだぞ」

貴女「うん」

私たちは何を見せられているんだろうか

あの誉さんがお兄ちゃん属性をダダ漏れしているのだが

私だげでなく、リビングにいるみんなも普段との性格の差が大きすぎてついていけないのか固まっているし、幸くんに関しては気絶している

それほどまでに驚いているのだろう

誉さんの性格が変わったことに

貴女「では、用も済んだことですし帰らせていただきますね」

誉「まだ日が昇っているとはいえ危険だから送って行ってあげよう」

貴女「ありがとう、お兄ちゃん。お言葉に甘えてそうしてもらうね」

そう言って、妹さんがリビングの扉を開けようとしたとき、雨でびしょ濡れの真澄くんがドアを開けて現れた。

なんでびしょ濡れなのと疑問に思ったのも束の間、外を見ると豪雨と言わんばかりの雨が降っていた

さっきまであんなに晴れてたのに

真澄「なんでシャーペンカチカチ野郎がいんの」

シャーペンカチカチ野郎ってどう考えても妹さんのことだよね

そのネーミングセンスを疑いたくなる