42.ab ページ42
俺はとことん弱い人間だ。
これから一生を共にするメンバーの前で....
それも自分より歳下のメンバーがいる前で涙を流すなんて。
しかもこの涙は仕事での不甲斐なさや悔しさのために流れているわけじゃない。
とても個人的な、ただの私情。
それも恋愛などという、浮ついた感情のための涙。
恥ずかしさと申し訳なさで、更に視界が歪んでいく。
真っ先に駆け寄ってきてくれた康二には悪いと思いつつ、横をすり抜けてふっかの後ろに隠れさせてもらった。
ごめんな康二、お前を頼るわけにはいかないんだよ。
歳と経歴だけで人を判断するようなことはしたくないけれど、俺にだってプライドがある。
何よりふっかは俺の精神安定剤的な役割を担ってくれることが多いから、今はこの人に触れていたいんだ。
「阿部ちゃん、大丈夫....？」
ふっかが小声で問うてくる。
小さく頷いてみたけれど、きっとふっかのことだから俺が大丈夫じゃないことくらいわかってしまうんだろうな。
「阿部ちゃん、大好きな佐久間くんにフラれちゃいましたね。悲しいですか？苦しいですか？」
「おいめめ、やめろって。阿部ちゃん傷付いてんだよ。」
ふっかを挟んだ反対側に、めめが立った。
身長の高い彼とは、ふっか越しでも充分に目が合ってしまう。
ふっかが片手を後ろに回してくれたから、有難く握らせてもらった。
温かくて優しい、いつも通りのふっかの手。
俺はふっかの手の温もりが好きだ。
「こんなに泣いちゃって....可哀想です、阿部ちゃん。佐久間くんは酷い人だ、阿部ちゃんみたいな可愛い子を泣かせるなんて。」
「もういいから....めめ、一旦阿部ちゃん連れて外出るわ。ちょっと二人で話させてよ。」
「話してどうするんですか？俺らに隠れてチューとかするんですか？傷心につけ込むなんて、佐久間くんの倍くらいタチ悪いっすよ。」
「しねぇよそんなこと。できるわけねぇだろ。」
ふっか....ごめんね。
めめから俺を遠ざけようとしてくれているのが、痛いほどわかる。
だけどふっかもめめが怖いんだ、たぶん。
....ふっか、も....？
....あぁ、そうか。
俺はめめが怖いのか。
納得した。
だから体が震えていて、ふっかの手を強く握ってしまっているのか。
佐久間にフラれて、メンバーからのキスも貰えなくなって。
更にめめが怖い。
ここまで追い込まれるとは思わなかったけれど、有難いことに俺にはこうなってしまった時の逃げ道がある。
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まなお(プロフ) - 智子さん» ありがとうございます！のえあべ…好きなんですよ(*^^*) (2021年7月14日 15時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
智子 - のえさんんが、、、本当にいいお話でした (2021年7月2日 1時) (レス) id: 6bcad947d7 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» のえさん、阿部ちゃん、かっくんの三角関係を妄想している途中です。形になりそうだったらアウトプットするので、暫しお待ちくださいね！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
EYE(プロフ) - まなおさん» ほんとですか！絶対見ます！！笑 (2020年8月18日 17時) (レス) id: c74add9456 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» ありがとうございます！！のえあべ、完全に沼でした…！！またそのうちのえあべ書くと思います。その時はまた、お付き合いくださいね！！ (2020年8月18日 16時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年5月15日 20時
