We kiss....

37.mmsk ページ37

「俺は答えたんだから、次はめめの番だぞ。教えてよ、何をどこまで知ってるの？どうして知ってるの？俺バカだからわかんないんだよ。」


「いや、俺もめちゃくちゃ馬鹿なんですけど。でも全部知ってます、阿部ちゃんと佐久間くんが何をしたのか。どんなやり取りがあって、どんな流れで行為に至ったのか。」


「なんで....っ！？」


「聞いてたんで....というか、聞かせてもらってたんで。岩本くんに。」


「照！？なんで照が？」


「阿部ちゃんのことが好きで、だけど阿部ちゃんには想い人が居て。それを認めたくなくて盗聴してたみたいです。知らない方が幸せなこともあるだろうに....俺には理解しかねます。」


「それなのにめめも聞いたの....？」


「はい、聞きましたよ。佐久間くんが最低なことを言ってるのも、阿部ちゃんが可愛く鳴いているのも全部。嫌がってたのに無理矢理やっちゃうなんて、佐久間くんもなかなかやりますね。」


「それは....っ」


「全ての元凶は俺です。スマホケースとゴムの外袋の破片を、わざと阿部ちゃんの家に置きました。誰かが阿部ちゃんの家に行った時に見つけてくれたらいいなって、軽い気持ちで。そしたらなんと佐久間くんが見付けてくれちゃって。願ったり叶ったりです、こんなに上手くいくとは思いませんでした。」


「....なんでそんなことしたの？」


「終わりにしたかったんですよ、今の微妙な距離感を。みんなで阿部ちゃんにキスして満足して....俺は嫌でした。みんなの阿部ちゃんじゃなくて、俺の阿部ちゃんになって欲しい。だから嬉しかったです、阿部ちゃんから誘われた時は。まぁ次の日は焦りましたけどね、メンバーに怒られるんじゃないかって。だけどそれがきっかけで吹っ切れたんです。もうルールとか、そんなのは関係無い。全力で阿部ちゃんを俺のにしようって決めました。」


「阿部ちゃんに好きな人がいるってわかってるのに？」


「佐久間くんは知ってるんですか、その相手が誰なのか。」


「いや、知らないけど....」


「じゃあ教えてあげます。佐久間くん以外の、阿部ちゃんより歳上のメンバーにはもう伝えてあるんですけどね。」


「えっ？」


「康二とラウに関しては、本気で阿部ちゃんのこと堕とす気は無さそうなんで。ガチっぽい歳上メンバーにだけ今朝言いました。」


「みんな知ってるんだ....」


「阿部ちゃんの想い人は....そうですね。小さくて元気で、空気の読めるポジティブ思考なアニメヲタク....ですかね。」

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