28.dt ページ28
「阿部ちゃん、ほっぺにチューさせて！！」
「はいはい、いいよ。隣においで。」
「阿部ちゃん俺も！！耳食べるっ！！」
「じゃあラウールもおいで。」
阿部は普段と変わりない、か....。
一見、一見ね。
わからないけどね、だって俺は目黒のような観察眼を持っていないから。
大好きな阿部がいつもと違うとか、疲れた表情してるとか....
そういう変化に気付いてやれないのが、仕方の無いこととはいえ悔しい。
ただ、鈍い俺にでもわかった。
明らかにいつもとテンションが違う、コイツについては。
「....佐久間、何かあった？」
「別に....」
「LiSA様のコンサート外れた？それとも物語の中で嫁がお亡くなりになったとか？」
「強いて言うなら、昨日はアニメ見られなかった。ハードディスクがパンパンで、たぶん今朝のアニメは録画できてない....」
「....なるほど。」
要するに、アニメが原因では無いと。
目黒曰く阿部は感情が顔に出るタイプらしいけれど、佐久間の方がよっぽどわかりやすいと俺は思う。
「....もしかして、阿部と何かあった？」
「何も無い。」
「その割にはチラチラ見てるじゃん、阿部のこと。」
「騒がしい方に目が行くのは人間の性だと思うけど。」
「それもそうだね、納得したよ。」
あまり大きくないソファに、長身二人とよく動く子犬が座ればもう窮屈そうで。
それでも三人が楽しそうだから、俺はその光景を目の保養として受け止めておくことにする。
「んーまっ！！はいもう一回、んー....っ」
「阿部ちゃんの耳は可愛いね、やっぱり可愛い人の耳は可愛くて甘いのかな？」
やかましい二人に優しい笑顔を向ける....まるで女神だ。
歳上の俺から見れば天使な君は、歳下と絡むと聖母のようでもある。
とにかく神聖な、清い存在だ。
だからこそ。
「....佐久間、やっぱり阿部と何かあったろ。」
「それに関しては、国王にも教えられないかな。」
「教えられない何かがあったんだ？」
「さぁね....神のみぞ知るってやつ。」
また濁された。
ちょっとくらい教えてくれたっていいだろうに。
....一方通行なんだ、俺達は。
唯一阿部と想いの交わるお前が彼を愛することができたなら、少しくらいその幸せを分けてくれたっていいじゃないか。
事細かに聞くつもりは無い。
『可愛かった』とか、それくらいアバウトでいいから。
応援する立場の俺から見れば、お前のほうがよっぽど王に近いんだよ。
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まなお(プロフ) - 智子さん» ありがとうございます！のえあべ…好きなんですよ(*^^*) (2021年7月14日 15時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
智子 - のえさんんが、、、本当にいいお話でした (2021年7月2日 1時) (レス) id: 6bcad947d7 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» のえさん、阿部ちゃん、かっくんの三角関係を妄想している途中です。形になりそうだったらアウトプットするので、暫しお待ちくださいね！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
EYE(プロフ) - まなおさん» ほんとですか！絶対見ます！！笑 (2020年8月18日 17時) (レス) id: c74add9456 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» ありがとうございます！！のえあべ、完全に沼でした…！！またそのうちのえあべ書くと思います。その時はまた、お付き合いくださいね！！ (2020年8月18日 16時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年5月15日 20時
