24.dt ページ24
「グリーンカレーの味が決まらない、舘様助けて〜！！」
あの子からの着信ほど嬉しいものは無い。
ワンコールで電話に出ると、いつになく情けない声で助けを求められた。
最近料理を始めたらしいあの子は、たまにこうやって俺を頼ってきてくれるんだ。
改めて、料理を趣味にしていて良かったと思う。
今日はグリーンカレーか、洒落てるね。
「バターを落としてみるといいかも。ひと欠片、大体スプーン一杯分くらいかな。」
『助かる、ありがとう！！....佐久間ぁ、バターだって！！スプーン一杯分くらいだって！！』
一度耳から電話を話したのか、遠く小さくなる阿部の声。
だけど....ちょっと聞き捨てならない名だね。
「....舘さん、阿部ちゃん今佐久間くんと一緒なんすか。」
「そうみたい。」
「なんで....っ」
「残念？」
「残念です。」
「悔しい？」
「悔しいです。」
「....目黒は可愛いね、子供みたいで。」
「なんでそうなるんすか！？」
宅飲みに誘われたけれど、なんとなく目黒の家のイメージが俺の中にあって。
きっとそれは目黒にとっては居心地の良い空間で、だけど俺は絶対に足を踏み入れたくない場所だ。
本当に、勝手なイメージに過ぎないのだけれど。
だから、俺の家で飲もうと提案した。
比較的酒に強い二人だから、楽しく飲めるはず。
そう思って。
....阿部、タイミングが悪かったね。
「ダテありがとね、なんとかそれっぽくなったよ！」
また阿部の声が近くなった。
耳触りの良い、聞きやすくて真っ直ぐな声。
裏返りがちな、愛おしい声。
「ねぇ、佐久間がいるの？」
『そう、今日はカレーパーティーなんだ。色んな種類のカレーを少しずつ作って食べよう....みたいな。だからまた連絡させてもらうかも。』
「いいよ、いつでも待ってる。」
『やっぱり頼りになるわぁ....！！じゃあ、一旦バイバイしよう。』
「はいはい、包丁と火には気を付けるんだよ。」
『わかってるにゃん！』
ぅおっふ....っ
思わず電話を切ってしまった。
いや、これは許して欲しい。
普通に....その、アウト。
「....いつもそんな電話かかってくるんですか。」
「そうだね、最近は特に多いかな。」
「なんで俺じゃねぇんだよ....」
「目黒は勉強のこと、翔太に聞くか？」
「....納得です。」
目黒は諦めるつもりは無いみたいだ。
阿部が誰を想っていようと関係無いんだな。
なんとなく、そう思えた。
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まなお(プロフ) - 智子さん» ありがとうございます！のえあべ…好きなんですよ(*^^*) (2021年7月14日 15時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
智子 - のえさんんが、、、本当にいいお話でした (2021年7月2日 1時) (レス) id: 6bcad947d7 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» のえさん、阿部ちゃん、かっくんの三角関係を妄想している途中です。形になりそうだったらアウトプットするので、暫しお待ちくださいね！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
EYE(プロフ) - まなおさん» ほんとですか！絶対見ます！！笑 (2020年8月18日 17時) (レス) id: c74add9456 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - EYEさん» ありがとうございます！！のえあべ、完全に沼でした…！！またそのうちのえあべ書くと思います。その時はまた、お付き合いくださいね！！ (2020年8月18日 16時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年5月15日 20時
